【コラム】ニュートラムの新型車両「200系」の座席数が少ない?

【コラム】ニュートラムの新型車両「200系」の座席数が少ない?

ニュートラム 200-06F 紫

ニュートラムの新型車両である200系がデビューして3年ほどになりますが、座席定員数が先代の100A系と比較して大幅に削られています。

100A系では座席定員が16~20名だったのが、200系では12(先頭車)~14(中間車)名と、一車両あたり4~6名ほど削られていることになります。

そのせいか、結構不満の声が見受けられます。

 

何故少なくなったのか

上記のように府庁職員の通勤のためでは…?という声も見受けられますが、当時の大阪市の市民の声(現在は民営化に伴いリンク切れとなってしまっています)にはこう説明されていました

 

 ニュートラムの新型車両は、南港ポートタウン線のご利用実態を調査した上で、特定の駅間及び時間帯において大変混雑する一方、閑散区間及び時間帯もあることから、多客時の混雑緩和と閑散時における定員着座の両立を図ったものとしております。そのため、一部の座席の向きを進行方向、もしくは反進行方向とし、在来車両より座席のレイアウトを変更いたしました

また、ニュートラムは基本的に無人運行していることから、小さい車両にも関わらず多くの機器を搭載する必要があり、車内にも機器のスペースを設けております。安心してご乗車いただき、安全運行を日々確保するうえで必要なものでございます。

この機器スペースと先の座席レイアウトの変更により、在来車両と比べると新型車両の座席定員は少なくなっておりますが、一方で新型車両では定員で着座いただくよう、1人ずつ区分けした座席を採用し、優先座席数も増やすなどの改良も行っております。

出典:「ニュートラムの新型車両について」大阪市
< http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000413710.html > 2018年1月21日閲覧、現在民営化に伴いリンク切れ

 

つまり、

・100A系導入時よりもニュートラムの乗客が増えたこと(=スペースが必要なこと

・閑散区間、時間帯もあること

・それを踏まえて一部の座席をクロスシート(横向き座席→前向き座席)に車内デザインを変更したこと

・機器を多数載せているので、元々あまり座席数が取れないこと

を主な理由として挙げています。

 

 

データ上では…

100A系が導入される頃の1990年と、200系が導入される前の2015年の乗降客数を見てみると…

 

 駅  1990年 2015年
 トレードセンター前  – 6,779 (+6,779)
 中ふ頭  4,324 5,543 (+1,219)
 ポートタウン西  9,657 9,053 (-604)
 ポートタウン東  14,502 13,844 (-658)
 フェリーターミナル  3,283 3,796 (+513)
 南港東  2,518 4,424 (+1,906)
 南港口  5,475 4,586 (-889)
 平林  3,425 5,247 (+1,822)
 増減比較合計 +10,088

※住之江公園・コスモスクエアは他線との合算なので除外
※トレードセンター前は1990年時点で未開業

 

1990年と2015年とを比較すると、コスモスクエア、トレードセンター前が開業したのでこれだけでもかなりの乗客増になっています。今回、中央線と被って正確でなくなるのでコスモスクエア駅はデータから外しましたが、トレードセンター前だけでも6,700人の増加になりました。

加えて、それ以外の開業時からの駅も全体的に見ると3,000人近くの増加となっており、時間はともかく区間においては100A系導入時よりも増加しているといえます。

インテックス大阪

 

確かに、車両のキャパが簡単に増やせないことを考えると、こうした座席配置の転換で立席を増やすことで乗客の増加に対応するのがもっともコスパが高く、手っ取り早い手段ですね。

実際にコスモスクエア→中ふ頭間はインテックス大阪で開催されるイベント時に相当乗客が乗るようになってきており、イベント時などはすし詰めなことも多くなってきています。

 

 

 

 

この記事の著作者、撮影者

Photo,Writer :Osaka-Subway.com   2018/07/09

 

.




書いた本



ニュートラムカテゴリの最新記事