2005年から2021年までの16年間、近世の大阪市営地下鉄・大阪メトロを、私はファンとしてたくさん撮影してきました。
もし私が死んだらこういった写真はおそらく破棄され、二度と日の目を見ることはないでしょう。
私も今、歴史調査の為に古写真を調査・研究することが増えています。つまりそれは先人が残してくれた資産を享受しているということに他なりません。
私もまた、次代に続いていく大阪メトロファンの為に、今しか記録できない写真をしっかりと残してしっかりと公開していくべきだと考えるようになりました。
そのような思いから、今回このような特集を組み上げました。しばらく長期シリーズで掲載していく予定です。
当サイトをよくご覧いただいている古参な方には何度か見た写真かもしれませんが、ご容赦頂ければと思います。
Osaka-Subway.com Author:207
第7回は「10A系 Rebirth!」です。
(バックナンバーはページ下部に記載しています。)
チョッパ装置が…
それまでも10系のリニューアル工事は行われていましたが、中央線20系の高速化改造があったことからしばらくはそのままの状態でした。
ところが2007年に改造された1123Fから、なんとVVVF化が施工された編成が登場したのです。VVVF化された形式には「10A」の称号がつきました。
2007年3月9日、初めてのVVVF化を終えて試運転を行っている最中の1123Fです。
10系に使われていたサイリスタが製造中止となり、チョッパ制御装置の故障が増える中でその代替としてVVVF化されました。
VVVF化した編成からチョッパ制御装置部品を取り外し、従来の10系予備用として充てることも視野に入れていたようです。
1123の動画は見つけたものの、画像粗……
四つ橋線の放送が懐かしい pic.twitter.com/ZtD5t7iLHW— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) May 25, 2021
試運転時の様子。四つ橋線の放送が懐かしい…
営業運転
試運転からしばらく経った2007年6月8日。この日は営業運転を始めた1123Fにようやく出会えました。
VVVF化もさることながら、アルミ車体のブラッシュ洗浄、新ロゴマークの取り付けなど従来の10系とは見違えています。まさに「Rebirth!」と言えるでしょう。
この1123編成の営業運転にあたるまではかなり苦労したことを覚えています…。
むしろ、リニューアル2本目の1125Fの方がすんなりとやってきてくれました。
車内の様子。御堂筋線なので赤色のモケットが採用され、非常に鮮やかな印象です。
検査から復帰してすぐなので、座席もまだ真新しいですね。
新調されたVVVFの10A系ロゴ。VVVFロゴについては、新20系から続く伝統ともいえるものになっており、10A系で3代目になります。
10A系化したことでMT比が変更可能となった為、21系とあわせ、従来の6M4TからM車を1つ削減した5M5Tへと変化しています。
バックナンバー
2007年
2006年
参考文献
電気車研究会『鉄道ピクトリアル 8月号臨時増刊号、特集 大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)』