近年、各駅の改札口に設置されている大きな液晶モニターがありますが、正式名称は「サービス情報表示器」というそうです。
当サイトでも「謎のモニタ」として紹介してきたこの装置、最新の資料が出てきたので今日はこのモニターについて解説していきます。
49/55型
この「サービス情報表示器」ですが、現在は主要駅の天井から吊り下げられて設置しています。
梅田など吊り下げられない場所については壁面や自立式金具に固定されて設置されるケースもあります。
モニターは49型ないし55型のLCDディスプレイで、シャープ製のものが使用されています。
テレビと似ていますがテレビ製品を流用しているわけではなく、製品名も「インフォメーションディスプレイ」という専用製品のようです。
大阪メトロが、地元企業のシャープ製を用いているのは好感が持てますね。
製品仕様(天王寺駅)
シャープ PN-R496
インフォメーションディスプレイ定格電圧:100-240V
定格消費電力:155W
定格周波数:50/60Hz
定格電流:1.8A
画面表示フォーマットは、
・左側に行先案内表示と発車時刻
・右側に啓発情報などの情報表示
・下側に流し文字と時刻表示を
行うレイアウトです。
行先表示について
通常の行先では路線カラーと駅番号が表示されますが、稀に異なる表示もあります。内容は次の通りです。
・通常…長方形で[M30]の表記。色は路線カラー
・相互直通先…円形で(M08)の表記。色は白地で文字が路線カラー色
・乗り場が2つある場合…長方形で[2番線]の表記。色はダークブルー
また、堺筋線では種別表記もあります。
導入まで
在阪私鉄でこういった情報表示器を取り付けている例が先行しており、大阪メトロでも2020年3月頃から導入が始まりました。
当初導入駅は新大阪・梅田・難波などの5駅で、2022年現在は更に多くの駅へと普及しています。
2023年度までに全駅、全改札口への設置を目指しています。
今後
現在は時刻表通りの固定ダイヤしか表示できませんが、運行管理システムの更新後には実際のダイヤ情報と連動して遅れや臨時列車の運行情報についても対応できる見通しです。
ちなみに、検討段階では「あと○分で到着」という表示内容についても考慮されたそうです(結果的に不採用となりました)
関連リンク
参考文献
『鉄道と電気技術』2021年8月 Vol 32 No.4、「サービス情報表示器導入について」大阪市高速電気軌道株式会社 鉄道事業本部電気部信号通信課