【今里筋線】関目成育駅が2層構造の理由とは

【今里筋線】関目成育駅が2層構造の理由とは

大阪メトロで、唯一上下線が違う階層にある今里筋線の関目成育駅。

今里行きは地下2階、井高野行きは地下4階になっており、どこか単線ホームのような雰囲気がある大阪メトロでは異色の存在です。

ちなみに、井高野行きホームは大阪メトロで2番目に深い25.9mとなっています。

いったい何故この駅だけが、ややこしい二層構造になっているのでしょうか。

 

洞道なる存在

理由は色々とありますが、大きな原因としては「横にNTT管轄の大きなトンネルがある」からのようです。

・NTTが管轄する洞道のシールドトンネルが、今里筋線と並走する国道1号線に配置されている
・駅北に位置する高殿交差点の曲線が半径102mで、複線トンネルを並列に並べるとカツカツになる
・高殿交差点にNTT洞道へ繋がる立坑とマンションの基礎杭がある
・駅南に位置している京阪本線の高架橋が沈下するリスクを避ける為

NTTのトンネルである「洞道」とは、通信用ケーブルが収められている小さなトンネルのことです。

関目成育駅付近に埋められているこの洞道は、国道1号線の道路中心から西側に幅5.1mの大きさがあることから、東半分にしか今里筋線を掘れるスペースが無いのです。

 

こうして完成した関目成育駅は、洞道が横にある地下2階の1番線はやや狭いホームに、

地下4階の2番線ホームは幅員が4.75mと、ややゆったりした駅となっています。

 

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参考文献

大阪市交通局『大阪市高速電気軌道 第8号線井高野~今里間 地下鉄建設記録』,平成21年3月




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