
大阪市高速電気軌道30000A系車両は、2022年3月から投入を開始した中央線用の新型車両です。
従来使用されてきた20系の代替車両、および大阪・関西万博の輸送用として登場しました。
中央線への新形式投入は、1991年の24系投入時以来31年ぶりとなります。
2025年の万博閉幕をもって中央線から離脱を開始、2026年には全編成が谷町線への転属を完了しています。
外観デザインの特徴


基本的には御堂筋線へ投入された30000系と同じく、30系以来のシルバーカーの伝統を受け継いだ車両となっています。

但し、側面上部目一杯まで配されたラインカラーのラダーデザインは撤廃され、ラインカラーのグリーンとスパークルドット(水玉模様)が取り入れられた仕様となりました
これについては、公式から次のような説明がなされています。
大阪のにぎわいと人々の輝く姿をドットでシンボル化し、今まで以上に人・街・乗り物が有機的につながりあう、これからの新しい未来を、スパークルドットとして表現しました。それぞれのドットの意味として、ホワイトは街ゆく人々、アースグレイは街並み、グリーンは Osaka Metro の車両を表しています。
また、未来社会をゴールドで表現し、そこに存在するすべての要素が多様性をもってランダムに「集まる」「つながる」ことを表しています。
出典:https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20211209_400kei_30000Akei_dounyu.php
また、車番が「32951」となっていることからもわかるように、万博輸送終了後に谷町線へ転属することが当初から予定されていました。
この印象的なスパークルドット柄は、谷町線転属後も引き継がれています(後述)
新形式の台車
30000系の台車といえば、インダイレクトマウント・モノリンク式を採用した新機軸のDS-300(新日鉄住金製:FS578)。
乗り心地が他の車両と全く異なり、非常にスムーズに走るのが特徴でした。

30000A系では、それを更に発展させた新形式のWS-300(新日鉄住金製:SS190)が採用されました。外観からはボルスタレス台車のように見えます。
また、中央線からの乗り入れ先である近鉄けいはんな線にも対応できるよう、30000系としては初めての抑速ブレーキがついているものと思われます。
LEDが高速シャッター対応に

30000A系では、前面LED行先表示機のリフレッシュレートが変更されており、1/800程度でもバッチリと写るようになっています。
おそらくはそれ以上でも切れずに撮影可能のようですが、横線が入らないのは1/800程度のようです。

これまでの30000系では、1/125以上にすると切れてしまい、表示内容がわからなくなっていました。
これまでの動き
導入~試運転
まず、2021年10月付で国土交通省へ申請が行われました。

そこから半年後の2022年3月17日、近畿車輛から陸送で緑木検車場へと搬入されました。

1ヶ月が経過した2022年4月12日からは、夜間試運転をスタート。

4月17日終電後には、緑木検車場から所属先の森之宮検車場へと回送されました。

4月28日には近鉄線内へ貸し出され、誘導障害対策の試運転が行われました。

6月1日。中央線内で試運転後、近鉄線へ回送。

6月3日からはハンドル訓練と思われる試運転が行われ、学研奈良登美ヶ丘と新石切間をピストン往復するダイヤが組まれました。
そして、7月22日(金)、運番13(森ノ宮7:15出庫)でデビューしました。
製造は近畿車輛が担当。全10編成が投入されています。
これまでの試運転スケジュール
・2022/04/28 近鉄けいはんな線内で誘導障害試運転
・2022/05/23 谷町線 大日~八尾南間で試運転
・2022/06/01 中央線 森ノ宮→長田→コスモスクエア→東生駒
・2022/06/03-08 近鉄けいはんな線でハンドル訓練の試運転
谷町線へ転属

当初の予定通り、万博閉幕後の2025年10月17日から谷町線への転属を開始。
森之宮検車場内で紫色にする小改造を経て、53編成から転属がスタートしました。

10月20日には、谷町線内でモニタ関連の動作チェックと思われる試運転を実施。10月24日から営業運転をスタートしています。
32653F…[転属回送]10月17日→[営業開始]10月24日
32657F…[転属回送]10月25日→[営業開始]10月27日
32654F…[転属回送]10月27日→[営業開始]10月28日
32655F…[転属回送]10月31日→[営業開始]
主要諸元表
| 形 式 | 32900A(Tec2) | 32200A(Ma2) | 32300A(M) | 32800A(T) | 32100A(Mb1) | 32600A(Tec1) |
| 車体構造 | ステンレス | |||||
| 車 種 | ||||||
| 自 重 | 32.5t | 33.8t | 35.4t | 25.8t | 35.8t | 32.7t |
| 定 員 | 130(座席33) | 140(座席39) | 140 | 140 | 140 | 130 |
| 車体長 | 先頭車18,900mm (中間車18,700mm) | |||||
| 車体幅 | 先頭車2,890mm (中間車2,880mm) | |||||
| 車高 | 3,745mm | |||||
| 制御方式 | 回生ブレーキ付 VVVF-IGBTインバータ制御 | |||||
| 主電動機(140kW) | ○ | ● | ● | ○ | ○ | ○ |
| 歯車比 | N/A | |||||
| 運転台 | ワンハンドル(P3、N1、B6、EB1) | |||||
| 営業最高速度 | 95km/h | |||||
| 設計最高速度 | N/A | |||||
| 加速度 | N/A | |||||
| 減速度 | N/A | |||||
| 集電方式/電圧 | 第三軌条上面接触式 / 三相交流750V | |||||
| (設置台車) | ● | – | ● | – | ● | ● |
| 所属 | 緑木検車場 | |||||
30000系との比較表
| 30000系 | 30000A系 | |
|---|---|---|
| 形式名 | 30000系 | 30000A系 |
| 車番 | 御堂筋線:31000 谷町線:32000 |
30000 |
| 製造本数 | 御堂筋線:22本 谷町線:13本 |
10本 |
| 投入路線 | 御堂筋線、谷町線 | 中央線、谷町線 |
| 最高速度 | 70km/h | 95km/h |
| 台車 | DS-300 | WS-300 (SS190) |
| 抑速ブレーキ | なし | あり |
| デザイン | ラダーデザイン | スパークルドット |
| 製造 | 近畿車輛 川崎重工 |
近畿車輛 |
年表
・2021年6月14日…図面設計完了
・2021年10月22日…車両確認申請書を国土交通省に提出
・2021年12月9日…公式リリースを発表
・2022年3月17日…01編成が陸送搬入
・2022年4月12日…夜間試運転をスタート
・2022年4月17日終電後…緑木検車場から森之宮検車場へ回送
・2022年4月28日…近鉄線へ貸出。誘導障害対策の試運転を実施
・2022年5月23日…谷町線 大日~八尾南間で試運転
・2022年6月1日…中央線 森ノ宮→長田→コスモスクエア→東生駒
・2022年6月3~8日…近鉄けいはんな線でハンドル訓練の試運転
・2022年7月22日…営業運転開始。運番13(森ノ宮7:15出庫)
・2025年10月17日…谷町線への転属を開始(32653F)
・2025年10月24日…谷町線で営業運転開始。運番10(大日5:39出庫→八尾南8:35発の都島行き)