太平洋戦争時において、地下鉄はその構造ゆえにあまり被害を受けなかったどころか、空襲に罹災した一般市民を運んだのは有名な話ですね。
ところが、そんな大阪市営地下鉄も部分的に被害を受けた駅がありました。
それは、動物園前駅です。
天井が吹き飛んだ…
南霞町(現:阪堺新今宮)へと続く階段。この地に爆撃被害が起きたのだそうです。
大阪の空襲被害は甚大なものでしたが、大阪市営地下鉄が受けた被害は地下ということもあってごく軽微なものでした
唯一の被害は動物園前駅で、阪堺電車接続口の地下屋根が吹っ飛んだ…と記録があります
— Osaka-Subway.com (@OsakaSubwaycom) August 9, 2017
当時のことを回顧した書籍にも、記載があります。
大阪地下鉄で爆弾の被害を受けたのは南海の南霞町駅と一号線動物園前停留場を結ぶ連絡通路だけである。この通路は天井がふきとびかなりの被害であったが、列車運行には支障がなかった。
岩村潔『大阪市地下鉄の歩み』 (市政新聞社 ,716p)
大阪市営地下鉄は構造的にも爆撃の被害を受けにくい為、こういった直接的な被害は少なかったようですね。
ただ、軍事関係に詳しい方によると、もしこれが焼夷弾でなく重量級爆弾だったなら、駅に直撃していれば、土被りを突き破ってホームで炸裂した可能性もあったとのこと。
連ドラ「ごちそうさん」では罹災者を梅田まで運んだエピソードがありますが、地下鉄で梅田まで輸送できたのは、運が良かったのかもしれませんね。
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Photo:Series207
Writer :Series207 2017/4/21