大阪市交通局が、2017年度計画においてICOCA定期券の導入を発表しました。
これまでは既存の磁気定期券と共に、Pitapa「マイスタイル」という制度で実質的に定期券制度の代替を図っていましたが、ここにきて磁気定期券を代替する文言が掲載されています。
・平成29年春にICOCA及びICOCAによる地下鉄単独定期券を発売し、磁気媒体をIC化する。
・現在、磁気連絡定期券を発売している各社とのIC連絡定期券の発売に向けて、各社と協議しながら、 実施スケジュールを調整
制度・運用・機器面からサービス概要を設計http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/library/ct/20161121_uneihoushin_an/yoshiki_2.pdf
万人が使う公共交通にPitapaは不向きか
今回、何故新たにICOCAが採用されることになるのでしょうか。
大阪市交通局は現在Pitapaを採用していますが、Pitapaは後払い制で、所謂「クレジットカード」に属するものなので、発行には審査があります。
ということは、18歳以下の人には発行されませんし、破産をしていたり返済していなかったりと、信用情報がブラックな人にも同じく発行されません。
公共交通というのは文字通り老若男女、身体障害者の方から破産者まで、様々な人が利用するものです。しかしながら、与信審査があるPitapaは、結果的に持てない人へのバリアになってしまっています。
厳密には保証金預託型というのもあり、4~20万円を預けることでその1/4までが使用できるという制度がありますが、初期費用が2,000円で導入開始できるICOCAとは違って現実には仕様までのハードルがかなり高いものとなってしまっています。
これらの事情から、ICOCAの採用に踏み切る形になったと思われます。
ICOCA採用の関西3私鉄とあさっての方向を向く阪急
近年Pitapaを採用する各社は、京阪・近鉄がICOCAを既に採用、2017年度からは南海電鉄でも同じくICOCAを採用、阪急阪神HDは謎の磁気券への逆戻りと、足元が揃わない状態が続いています。
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Photo,Writer :Series207 2016/12/16