大阪市営地下鉄で初めて自動改札を採用したのは、四つ橋線の玉出駅であることをご存知でしょうか。
1971年6月1日、四つ橋線玉出駅の南改札で採用されました。ちなみに、現在の南改札とは場所が異なります。
何故玉出駅がテスト場に選ばれたのかは文献に記載がなく、詳細な理由がわかりませんが、おそらく
・当時は終着駅で、乗換、他社乗換などの運賃取り扱い上でややこしいことがない
・そこそこの乗客数がある(1970年統計で乗車20,008人・乗車17,708人、隣の岸里駅の1.7倍)
・改札が2カ所あって万が一の時に誘導できる
ことが理由にあると思われます。
玉出、北加賀屋の2駅で試験
出典:大阪市交通局総務部「大阪のあし」No.60
自動改札を初めて採用したのは阪急の北千里駅で、1967年にオムロン製のものが10台設置されました。それから遅れること4年後に導入されたのが大阪市営地下鉄の玉出駅のものです。
その後、住之江公園まで延伸した翌年には試験範囲を隣の北加賀屋駅にも拡大。1974年の東梅田~都島間開業の際に本格的に採用がスタートしたのでした。
1974年9月末にはこの他、
御堂筋線…江坂、新大阪、本町、中津、難波、昭和町、西田辺
谷町線…谷町六丁目、谷町九丁目
四つ橋線…本町、四ツ橋、難波、岸里、住之江公園
中央線…朝潮橋、九条、本町、堺筋本町
千日前線…難波
堺筋線…堺筋本町、北浜、天神橋筋六丁目
の22駅で採用が始まりました。
万博で進化する大阪地下鉄
2024年から、大阪メトロは顔認証式改札システムを導入することを発表しています。
自動改札を導入してから50年。前回もちょうど大阪万博の時期でしたが、万博を機に大阪の交通は大きく発達していくんですねぇ。
参考文献
大阪市交通局総務部「大阪のあし」No.60、71、72
大阪府統計「大阪市高速鉄道(地下鉄)駅別乗降人員」昭和45年