当サイトが出版した書籍、「マルコに恋して」をお買い上げ頂き、本当にありがとうございました。おかげさまで、電子・紙共に非常に多数の方の手にとって頂くことが出来ています。
実は現在、また新しい本の製作に着手しています。
「マルコ」スタイルの次作も考え始めてはいるんですが、それより先に完成させたい本のプロジェクトがあります。
それは「Osaka-Subway.comがある間は全く価値がないけど、サイトがなくなってから価値が出てくる本」です。
”なくなったら”価値が出る本
かつて、無料で自分の情報を発信することが出来た「ジオシティーズ」や「infoseek」といったレンタルサーバー。
鉄道写真がたくさん掲載され、ブログランキングの上位を独占していた「Yahoo!ブログ」を覚えておられますでしょうか。
いずれも鉄道ファンがよく使っていた無料サーバーで、見ない日はないと思うほどのページがありました。
しかし、今となってはいずれもサービスが終了、見る影もありません。
【運営期間】
・「infoseek isweb」 2001年~2010年(無料)、2012年(有料)の10年前後
・「Yahooブログ」 2005年~2019年の14年間
・「ジオシティーズ」 1997年~2019年の22年間
これらレンタルサービスは、貸主が「もうやーめた」と言ってしまえばそれまでなのです。
私はそれを嫌って、自分でお金を払って現在この「Osaka-Subway.com」の運営を続けています。
お金を払っている分、まだ無料レンタルサーバーよりは残りやすいですが、これも完全ではありません。
私がこの世からいなくなれば、このサイトは長くとも一年程度で消滅します。
運営費用を支払う人がいなくなれば、当然ながらサイトは消えてしまいます。
かつて存在した有名なwikiサイト「Chakuwiki」を作っていた方も2020年8月に鬼籍に入られましたが、サーバー代の支払いがなかったことで12月にサイトが停止。
あれだけの膨大な情報量を誇った名サイトですら、わずか半年程度しか残らない。
しかも、相続人が「やらない」と言ってしまえばそれまでなんです。
一連のそのやり取りに、私は極めて大きな衝撃を受けました。
死が身近になった2021年
2021/01/26
ねこちゃさん(@nekocafe )が亡くなりました。新型コロナウィルスで入院をしていました。
1/8夜発熱→1/13にPCR検査陽性→入院→CTの結果肺炎確認→1/15酸素吸入→人工呼吸器→1/21肺から出血確認→1/25ECMO導入→一度心肺停止→ECMOにて延命→両親に見守られながら死去
— さゃん@ねこちゃこねこちゃ (@osaya96) January 25, 2021
昨今のコロナウイルスの流行で、平時よりも「死」を身近に感じるようになった気がします。Twitterでも訃報を見ることが多くなりました。
なんとなく今後50年は生きるんだろうなあと漠然と思っていても、実際コロナでいつ倒れるか、コロナじゃなくても自動車事故やその他理由でいつ死んでしまうかなんてわかりません。
ということで、「Osaka-Subway.com」がある間は全く価値がないけど、サイトがなくなってから価値が出てくる……今、そんな本を制作しはじめています。
なるべく後世に残りやすいよう、書籍という形の他にも様々な媒体で配布出来るように考えています。
もちろんサイトと内容は殆ど同じなので、「サイトがある」間は購入する必要はありません。
私が死ぬ時以外にも、不慮の事故や災害などでサーバーがダメになってしまった場合…いわゆる「サイトの死」時にも活用できるよう、バックアップとして作る意義があると考えています。
価格について
基本的に内容はサイトのままなので、3年間のまとめ・電子媒体で300円程度を目指しています。
最初は2014年~2016年の3年間、次は2017年~2019年の3年間…というように、アーカイブ的な立ち位置で3年づつ発行していきます。
今回は紙で出版するかは微妙なところですが「残すことが目的」なので、各図書館へ献本する用のものについては印刷しようと考えています。
内容について
基本的に「コラム」「特集」など、Osaka-Subway.comが初めて解き明かした、もしくは初めてではないけどあまり周知されてこなかったものを中心に掲載します。
各種出場試運転のニュース記事などについては、原則的に私が撮影したもののみ、簡単に写真を掲載する程度に止めようと考えています。
巻末にはその年度の車暦表、そしてOsaka-Subway.comの閲覧者数データを掲載します。
先にも書きましたが、サイトがある間は重複コンテンツなので購入する必要はありません。
著作権について
著作権については放棄しませんが、著作権法に則った引用での使用は歓迎します。
そもそも、元々の著作権法有効期限である「死後50年」だったのを「死後70年」にしてしまったのは非常にナンセンスだと思っています。
このせいで1968年以降の著作物(個人については1968年以降に亡くなった方)に関しては、2039年まで原則的に触れることが出来なくなってしまいました。
大阪市営地下鉄でもこの時期は高度経済成長期と被る時期で、路線や車両動向に目覚ましい動きがあった時期なのですが、この時代の調査が非常にやりにくくなっています。
このように長過ぎる著作権は後の世代の方の調査に響くものだと思っているので、この書籍に関しては「私の死後30年」までを保護期間にしたいと思っています。
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