今日はちょっとマニアックなフォントの話。
ゴシック4550といえば、サインシステムの先駆けとなったフォントで、主に東京の営団地下鉄で採用されていた文字です。
こちらがゴシック4550を使用している「本町サイン」。本町駅で採用されたためにこういった名前がつけられています。
しかしながら大阪市営地下鉄では、ゴシック4550の採用はこの1駅にだけ採用された「本町サイン」にて例があるのみで、その他にはあまり例が見られません。
こちらが大阪市営地下鉄時代の標準サインシステム。見出ゴMB31というフォントを使っています。
同じように見える「本町」ですが、よくよく見ると「町」の部分に違いがあることがおわかりになるかと思います
このゴシック4550を使用した「本町サイン」は本町駅にしかないと思われていましたが…
去年御堂筋線の昭和町駅に行く機会があって、気づいてしまったこと
ホームを歩いてると、違和感のある縦型駅名標がありました
右は一般のやつですが、左は何とゴシック4550
Osaka Metroになってなお残り続けるゴシック4550…なぜ?他駅ではこのようなことはあるのでしょうかね? pic.twitter.com/LbkauXtkGS— ちゅうさん (@chuusansan) May 28, 2019
フォロワーさんからの情報によると、どうも昭和町駅にも同じゴシック4550を使用したサインがあるらしい…ということで見てきました
特徴的な「町」の文字
昭和町駅の柱駅名標。これは通常タイプの見出ゴMB31です
しかし…おお、これは前のものとフォントが違いますね。冒頭でお話したように「町」の表記に違いが見られます。このタイプのものがゴシック4550です
2番線では6号車4扉付近に設置されていました
なかもず方面ホームも同様に、ゴシック4550が設置されています
その理由は?
同一駅であるにも関わらず、なぜフォントが違ったのか。推測ですが、このような理由だと思われます。
御堂筋線は1963年以来、長年8両編成で運行してきましたが、1987年のなかもず延伸時直前に9両運転を、1996年に大規模工事を行い10両運転を開始しました。
駅構造から見るに、西田辺寄は9両編成化時、天王寺寄は10両編成化時にそれぞれ端っこが追加工事で伸ばされた可能性があります。
で、サインを見ていると6号車より後ろ側(西田辺寄側)にゴシック4550の採用例が多く、天王寺寄りには殆どありませんでした。
また、ゴシック4550を採用する本町サインは1980年代に登場していることから、1987年に駅ホームが延長された時は本町サインを採用したものの、10両編成化時の工事の際には新たに制定された見出ゴMB31のものを採用した…と思われます。
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