【御堂筋線】26時まで終電延長を実施!1日目はどんな感じだった?

【御堂筋線】26時まで終電延長を実施!1日目はどんな感じだった?

以前お伝えしたように、2020年1月24日~25日2時にかけて、御堂筋線の終電延長が行われました。

これは国土交通省の要請に伴う実験的なもので、終電を2時間延長することで夜の消費活動「ナイトタイムエコノミー」が活性化するかどうかの試験的なものです。

 

国土交通省では「明日の日本を支える観光ビジョン(平成28年3月30日策定)」におけ
る、訪日外国人旅行者数 2020 年 4,000 万人、2030 年6,000 万人、訪日外国人旅行消費額2020
年8兆円、2030 年15 兆円という目標達成に向けて、訪日外国人旅行者の受入環境整備など様々
な取り組みを進めているところです。その一環として、訪日外国人旅行者の受け入れ拡大や消
費促進を図るためには、夜間(ナイトタイム)を有効活用し、新たな消費機会の創出やナイト
ライフの満足度向上に繋げることが重要であり、そのためには夜間の周遊のための環境整備が
課題です。
このため、国土交通省においては、令和2年1月24日(金)及び2月21日(金)の深夜
に、大阪市高速電気軌道(株)(Osaka Metro)の協力の下、Osaka Metro 御堂筋線の終電時刻を
概ね2時間延長し、沿線エリアにおける夜間の消費動向や人口流動、交通需要に与える影響を、
外国人と日本人等の属性に分けて、ビックデータ等を活用して調査します。あわせて、深夜運
行の実施に際しての鉄道事業者側の課題や対応策についても確認します。

出典:国土交通省 プレスリリース

 

初めて行われたこの実験、果たして1日目はどんな感じだったのでしょうか。

当サイトでも見てきました!

 

梅田

まずは大阪メトロで最も利用客の多い梅田駅の様子から。

2番線に設置されている大型モニタ「梅田ビジョン」は泡の映像表示、デジタルサイネージも大阪メトロの広告がエンドレスで流れていました。この時間の広告設定がされていない為でしょうか

江坂行き列車が到着。利用客は後ろ4両で2,30人といったところでしょうか

こちらは新金岡行きが到着。江坂行きと比べて比較的多くの乗客が見受けられました。こちらは1車両に20名程度とそこそこの乗車率。

なかもず行き列車到着時を車内から。ご覧のようにそこそこの乗客が待っていることがおわかりになるでしょうか

 

なんば

一方、南のターミナルであるなんば駅はどんな感じだったでしょうか

なんば駅2番線ホームではそこそこの乗客数……っと?何やら大阪メトロの広報さんとテレビのカメラマンが陣取って取材されていました。

なんば駅南側ホームはそこそこの人出でしたが、北側はがらんとしていました

南側の改札部分やプラットホームにはあまり人が見受けられません。

それもそのはずで、こちら側の旅客流動のメインとなる南海電車の乗り換え口が封鎖されているのが理由です。

南側は殺風景でしたが、繁華街(道頓堀や宗右衛門町)につながる北側は電車が来ると60名近くの人が乗り降りしていて、ナイトエコノミー効果がそこそこ見受けられました。

 

切符売り場も乗客ゼロという、普段ではありえない姿を撮影することができました

御堂筋線しか動いていない為か、「路線からきっぷを買う」が選択できない状態でした。

 

 

 

乗車率調査

終電延長実施時の乗車率を簡単に調べてみました。

調査方法は前面から動画で撮影し、駅ごとのお客さんの数をカウントする…という簡単な手法です。そのデータがこちら。

江坂…各車両3名程度(30名)

東三国…4名

新大阪…15名

西中島南方…20名

中津…3名

梅田…120名程度

淀屋橋…38名

本町…10名

心斎橋…21名

難波…45名程度

※1 乗車列車は江坂24時26分発のなかもず行き
※2 ベンチに座っている人もカウント、向きが反対の場合はカウントせず
※3 明らかに乗車しない(階段を登っている等)であろう人は除外

大雑把な旅客流動としては、梅田でどさっと乗車、その後難波や天王寺方面へ向かう方が多く見受けられました。

 

 

江坂

ここからは若干趣味的要素が大きくなります。江坂駅では通常ダイヤの場合、千里中央からやってくる最終の江坂行きがあります。

しかしこの日は表示が「調整中」に

本来は1番線に「江坂止まり」、2番線に折返しの「なかもず」行きの電車が到着します。

が、今日は終電延長に伴って江坂止まりの電車が「なかもず行き」へと行先変更される為、1番線・2番線共に「なかもず」行き列車が到着することになり、どちらが先に出るかの混乱を防止のためにこのような措置が取られていたようです。

江坂行き電車が「なかもず行き」へと行先変更!これを鉄道趣味用語で「化ける」と言います。名鉄ではおなじみの光景です。

終電延長は江坂行きを基本とすることから、1日4回しか使われない「2番線のなかもず行き」がこの日は頻繁に誕生していました。

江坂駅での車内の様子。さすがにまだこの段階ではそこまで乗客は見られず、1車両に3人程度といった感じ。

特に乗客が多かったのは梅田→難波と、難波→梅田→江坂の区間で、最終電車ではなかもず行きもそこそこの乗車率だったようです。

 

その他

ちなみに、「江坂行き最終」の表示は普段のダイヤでは表示されず(江坂につく最後の電車は千里中央行きの為)、珍しいものとなっています。

また、自動放送については次の通り。

車内放送

自動放送を切って全てマイクで話す車掌さん、自動放送を流しつつも乗換案内のところだけ切って(終電後でもう乗り換えられない為)器用に手動放送をする車掌さんなど千差万別な対応でした。

駅放送

基本的には放送が流れず、無音で電車が進入してくるパターンでした。ただ、終電放送は一部駅(中津・西中島南方など)で流れていたようです。普段は流れない「最終 江坂行き」の放送も流れたようです。

定期列車にない江坂駅での「折返し・新金岡行き」は流れなかったとの報告がありました。

 

 

西中島南方駅では、終電案内のボードが「2:25 新大阪行き」になっていました。

 

総評:梅田⇔難波なら終電延長もあり?

今回の終電延長は前評判もそこそこあり、当日~2日前ぐらいから当サイトの記事もシェアされる機会が増えるなどしていました。

実際に地名度もあったようで、駅では「今日は御堂筋線2時までやねんで!」という声も。笑

輸送需要を見ていると、先程も書いたように大阪の二大繁華街である梅田~難波間で結構な人が利用していましたので、この区間に絞れば名古屋市営地下鉄のような、金曜日の晩だけ終電延長…みたいなスタイルもありかもしれませんね。

また、副次的な効果として「梅田で待っているタクシーが空車表示で溢れかえっていた…」という目撃情報も伺いました。

 

ちなみに

私もナイトエコノミーに貢献すべく(?)、深夜に難波の金龍ラーメンを頂くという悪魔的な行いをやってしまいました……深夜のラーメンって本当にうまい。

 

関連リンク

【速報】御堂筋線、金曜日終電延長の実証実験を実施!終電が26時へ!

【コラム】昔の大阪市電は24時間運転だった…「日本人は究極の夜型」だった?

 




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