【コラム】なぜ「30系?」大阪メトロ車両形式の名付け方とは

【コラム】なぜ「30系?」大阪メトロ車両形式の名付け方とは

大阪メトロでは現在10A系から30000系に至るまで、個性豊かで様々な車両が活躍しています。

そんな車両たちにはそれぞれ○○系という形式番号がつけられていますが「何で○○系っていうの?」と思ったこと、ありませんか?

今日は車両付番の法則について調べてみました。

 

 

50系

100~1000形までは既に存在しており、「2000形・3000形」は大阪市電(路面電車)が使用していたこと、4000は忌み番号で避けられた結果、その次の数字である5000形が採用されました。

その後、30系・60系落成により合わせるように「50系」と改称されました。

 

大阪市電が使用していると、何故その数字使えないのでしょうか。

市電と地下鉄はどちらも同じ大阪市交通局の管轄です。

車番が被ってしまうと書面上などで数字だけでは判別がつかず、一々問い合わせたりしなければならないなど面倒なことになってしまう為です。

例えば
「(市電の)2000を廃止すると伝達」→「(地下鉄の)2000を廃止すると認識」

なんてこともありえますよね。それを防ぐためです。

 

 

30系

先述の50系(5000形)や、7000-8000形が既に登場、60系(6000)も計画中の中、本来であればナンバリングには「9」が充てられるはずですが、何故「30(3000)」へと車番が若返ったのでしょうか。

これもまた、大阪市電が関係しています。

 

当時最新の路面電車であった3001形は、大阪市交通局の傑作ともいえる車両でした。梅田~難波では御堂筋線をも越える速さだったといいます。

しかし大阪市電を全廃させるという方針が決まり、最新鋭の傑作車両は僅か13年で廃車されてしまいました。

 

悲運の傑作車両である「3000」の数字に、大阪市交通局の技術陣にとって思い入れがあるのは当然ですよね。

ならいっそ、廃車と同じ時期に入れ替わるようにデビューするこの新車両に「3000」をつけよう!という想いから、30系になったのだそうです。

 

 

10系(10A系)

最初は谷町線の急行運転用に「20系」として製造されましたが、土木関係部の強い反対にあって急行運転計画が頓挫。

何か使いみちはないか…」と探している際に、御堂筋線の冷房化を目的にデビューさせる方針へと変更されました。

 

撮影:新御堂筋様

しかし「2000」のまま御堂筋線へと転入させると、既に乗り入れ先の北大阪急行が「2000形」として使っている為に被ってしまいます。

そこで、重複させない為と御堂筋線の正式名称である「1号線」の車両ということで、「1000」のナンバーが与えられました。

 

60系・70系・80系

これら3車両はどれも同じで、運行する路線が6号線(堺筋線)、7号線(長堀鶴見緑地線)、8号線(今里筋線)であることが理由です。

66系は60系の後継車両として登場したことから、この法則でいくと70系の後継車両は「77系」、80系は「88系」になるのでしょうか。

 

 

400系

そして今、新車として400系のデビューが2022年度頃に計画されています。

かつて「4」が避けられた為に40系が登場しなかったことから、戦時中に登場した400形以来、約75年ぶりに登場する4を冠した車両となります。

これは「20000(新20系)・30000」からの続番ということもありますが、4号線(中央線)でデビューすることも大きいのでしょう。

「409-01」が見れる日を、楽しみにしていましょう。

 

参考文献

レイルロード「大阪市交通局30系 Vol.1 」




書いた本



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