【コラム】谷町線と阪堺(南海)電車は直通計画が構想されていた

【コラム】谷町線と阪堺(南海)電車は直通計画が構想されていた

谷町線の当初の計画は守口~天王寺間のみでした。現在は八尾南まで運行されていますが、元来この地へは千日前線が計画されていました。

天王寺から先の延伸計画として、阿倍野までを谷町線が、その先を阪堺電車(南海平野線)と相互直通運転させる構想があったことをご存知でしょうか。

 

第三軌条の南海電車が出来ていたかも

現在、谷町線は八尾南まで走っていますが、このうち谷町線としては阿倍野までを、阪堺(南海)としては阿倍野から平野までの運行とし、両者を直通運転させ、需要があれば喜連瓜破まで延伸させる予定でした。

このうち、阪堺平野線については高速鉄道化(地下鉄化)を行う算段であったようです。実現していれば「南海カラーの第三軌条線」が運行されていたのでしょうか

 

このことは、昭和38年に行われた都市交通審議会という答申で言及されています。

南海電気鉄道 天王寺駅前ー平野

高速鉄道化
(注)上町線天王寺駅前・阿倍野間および平野線阿倍野・平野間の高速鉄道化により、[3]の路線(筆者注:谷町線守口~阿倍野筋1丁目間)と一体となって平野地区と都心部とを直結することが可能となる。

出典:運輸省鉄道監督局『都市交通審議会大阪部会議事録(第十四回)』、昭和38年3月22日

 

しかしながら、この当時は答申されたものの建設はなされず、結局南海は平野線を廃止、谷町線をそのまま八尾南まで延伸する形で決着がついています。

このあたりの詳しい顛末については現在調査中ですが、何故南海が安々とこの区間を手放したのかはまだわかっていません。

 

この記事の著作者、撮影者

Photo:Series207,Writer :Series207   2018/1/21




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