【形式紹介】北大阪急行9000形 ポールスターⅡ

【形式紹介】北大阪急行9000形 ポールスターⅡ

DSC04219

北大阪急行9000形車両は、2014年4月28日より営業運転を開始した、北大阪急行・御堂筋線運用用の新型車両です。

1986年に登場した8000形の代替新造として、北大阪急行としては28年ぶりの新車投入となりました。

 

解説

9000形は「人と環境にやさしい車両」「静かな安らぎ空間」「省エネルギー性」「省メンテナンス性」 といった、環境性能の更なる向上をキーコンセプトに製造されました。

 

コンセプト

DSC00395

 

人と環境にやさしい車両

車両の低床化によるホームとの段差縮小、車いすスペースの設置、車両連結部への転落防止幌の設置、扉開閉予告灯、LCD式車内案内機(19.2インチ横長・15インチ4:3のコイト製作所 製「パッとビジョン」)、扉開閉誘導音の設置など、バリアフリー化を強力に推進。

静かな安らぎ空間

新空調装置、低騒音型駆動装置、電動空気圧縮機、全閉式高効率主電動機を採用し、車内外の騒音低減を実現。東芝製の新空調装置(RPU-6036)は、1両あたりの冷房能力が44000kcal/hで、更に除湿機能も搭載。

併せて通勤車両初となる調色・調光が可能なLED照明を導入。季節や時間ごとに色温度の変更が可能。これに触発されてか、大阪市交通局30000系31604Fでも同じく調光機能のついたLED照明が導入されています。

省エネルギー性

PMSM全閉式高効率主電動機、IGBT-VVVFインバータを採用して力行・減速時の省エネを実現。併せて前照灯・車内灯から行先案内表示器に至るまで、全ての照明機器をLED化。8000形と比較して25%の省エネ化を達成しています。

 

 

3次車以降のマイナーチェンジ

DSC00385_1

最初に導入された9001F、続いての9002Fはシルバー車体となっていました。

北大阪急行に銀色の電車が導入されるのは、1970年の2000形以来となります。

DSC04219

2016年に投入された3次車(9003F)からは、より先代8000形のイメージに近いカラーリングとなりました。

これは塗装ではなくラッピングなのが特徴です。

この変更について、北大阪急行公式のプレスリリースからは以下のように案内されています。

「POLESTARⅡ」の親しみやすさを重視し、従来よりもスマートな優しさを持たせるため、車体全面のデザインを変更します。

新しいデザインは、緑地公園以北の沿線風景として馴染みがある「竹林」をテーマとしました。 色彩は沿線の文化的なイメージを重視し、側面上部に「菊炭色」、側面窓周りには濃いマルーン系 の地色に竹柄のグラフィックとグラデーションをアレンジし、腰部は8000 形「ポールスター」でも馴染みのある「マルーン」・「アイボリー」・「レッド」の 3 色を組み合せています。

また、先頭部は「マルーン」をベースとした配色でまとめ、全体的に「落ち着き」のあるカラ ーリングとしています。

http://www.kita-kyu.co.jp/upload/043.pdf

 

この路線で今後もいくのかと思いきや、9005Fからは元のシルバー車体に戻ってしまいました。

後述するラッピングの為に今だけこうしているのかもしれませんが、現状8000形カラーとなっているのは9003・9004Fの2列車のみとなっています。

 

ラッピング列車

9005F

箕面延伸を記念して、9005Fには「ゆずる&モミジーヌ 仲良しトレイン号」ラッピングを実施。

箕面市のゆるキャラである両者が先頭の2車両にラッピングされています。

反対側の「モミジーヌ」顔。

 

9006F

一方、9006Fと9007Fには箕面の四季を描いたラッピングが施工されています。

鮮やかな紅葉色の先頭車両が美しいですね。

 

編成ごとの車内の違い

また、細かなバリエーションとして編成ごとに微妙な車内の差異があります。(写真は9002F)

9001F…貫通扉のボタンが光らない
9002F…貫通扉のボタンが光る

9003F…車体の大幅なマイナーチェンジ
9004F…床部分の模様が異なる

9005~9007F

防犯カメラ設置用の凹みを設置

 

主要諸元表

9001_05

 形 式 9000 9100 9200 9300 9400 9500 9600 9700 9800 9900
 車体構造 軽量ステンレス/レーザー溶接
 車 種 Mc1 Tp Te T1  M2  M1 T2 Te Tp Mc2
 自 重 37.6 28.8 30.7 27.5 36.4 36.4 27.5 30.7 28.8 37.6
 定 員(座席定員) 128(39) 138(45) 128(39)
 車体長 18,200mm 18,000mm 18,200mm
 車体幅  2,800mm
 車高  3,745mm
 制御方式  東芝製 2レベルベクトル制御方式 IGBT-VVVFインバータ
 主電動機(PMSM/170kW x4)
 歯車比  103:14≒7.357
 台車(新日鉄住金製:SS178) ボルスタレス空気ばね台車
 運転台 ワンハンドル
 営業最高速度 70km/h
 設計最高速度 95km/h
 加速度 2.8km/h/s
 減速度 3.5km/h/s(常用最大)  4.5km/h/s(非常時)
 集電方式/電圧 上面接触式 第三軌条集電 / 直流750V
 集電装置 TC-25(東芝 社製)
 (設置台車)
 所属 桃山台車庫

 

LED行先表示

 

車内ディスプレイ

 

 

各種出典

新型車両 9000形を平成26年春より導入します。」 – 北大阪急行電鉄

9000形「POLESTARⅡ」3次車よりデザインを変更します」 – 北大阪急行電鉄

「SUBWAY」 – 日本地下鉄協会報 第202号




書いた本



北大阪急行カテゴリの最新記事