Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)70系車両は、1990年3月20日より営業運転を開始した長堀鶴見緑地線用の車両です。
<編成表はこちら>
車両概要
1990年に鶴見緑地で行われた花博へのアクセス路線として開業した、鶴見緑地線の列車として営業開始。
日本で初めてのリニアプレートを使用したミニ地下鉄です。
シルバーが多数を占める大阪市営地下鉄において、アルミ車体ながらアイボリーカラーの塗装を採用。そこにラインカラーである萌黄色とグリーンのラインを配置したカラーリングとなっています。
当初、南港試験線でテストを行っていた時はアルミ地むき出しで、量産車発注時も無塗装の予定でした。
しかし、鶴見緑地線は1990年に行われる「花と緑の博覧会」へのメインルートアクセス路線であり、大阪市営地下鉄としても当路線のイメージアップが求められた結果、急遽全塗装が採用された経緯があります。
パンタグラフには、日本初のシングルアームパンタグラフとなる(PT7002-A)を採用しています。
1990年に投入された1次車グループ。路線カラーは側面のみに留まります。現在は全てリニューアルされ、見ることが出来ません。
1997年以降に投入された2次車以降のグループは前面に萌黄色が大きく入り、また「7」のアクセントが小さくなりました。
ミニ地下鉄規格を採用していることもあり、車内の高さは2.15mしかありません
側面方向幕は大阪市交通局としては初のLED式を採用。長らく唯一無二の存在でしたが、2008年に登場した30000系から他路線へも本格的な普及が始まりました。
70系が登場したのが1990年ですから、およそ18年にわたって70系のみにLED方向幕が採用されていたことになります。
個性豊かな車内LED
大型LED装置を利用し、このようなアニメーション表示も可能。実際に動いているシーンは上の動画からご覧ください。
回送時などの非営業時には、色を反転させた表示に。
日付表示も可能のようですね。
リニューアル工事
製造から20年が経過し、老朽化が目立つようになってきたことから、他車両と同じように70系についてもリフレッシュ更新を行うことになりました。
第一陣となったのはロータリーモーター試験車であった70-13編成でした。
リニューアルされた70系。これまでよりもラインカラーが強調されたデザインへと変わりました。従来の部分のほか、上部や扉にも入っています。
試運転を行う70-07編成。
70-05編成からは、さくら色を基調としたデザインへと変更。
何故路線カラーと関係のないさくら色なのかですが、「鶴見緑地公園・大阪城公園があり、上を通る長堀通の華やかなイメージから」なのだそう。千日前線と被りませんか
現在のリニューアル編成は、すべてこのさくら色がモチーフとなっています。
70系の改造費用は編成によってまちまちですが一例を挙げると、平成29年10月に川重車両テクノが落札した編成については、8275.1万円で請け負われています。
「70系試作車」の存在
11編成のうちの2両、7161・7061(門真南寄2両)については、リニアモーターの試験車でした。
また、13編成のうちの2両、7262・7113(大正寄2両)については、ロータリーモーターの試験車でした。
どちらも01編成(7101)よりも先に登場した車両で、長堀鶴見緑地線の中で最も古い編成となります。
後付でファンを設置
ミニ地下鉄である70系車両は車体が小さく低いことから送風機がありませんでした。
しかし冷房装置の出力が不十分で「暑い」という意見が多く寄せられたことから、2016年の70系06編成のリニューアルより室内送風機を増設しています。
70系のエアコン送風口はこの箇所だけなのです…。
主要諸元表
形 式 | 7100(M2c) | 7250(M1e) | 7050(M1e) | 7150(M2c) |
車体構造 | アルミ | |||
車 種 | ||||
自 重 | 26.5t | 24.5t | 24.5t | 26.5t |
定 員(~7113F) | 89(座席28) | 101(座席38) | 101(座席38) | 89(座席28) |
定 員(7114F~) | 89(座席30) | 101(座席38) | 101(座席38) | 89(座席30) |
車体長 | 15,200mm(連結器含まず・先頭)、15,000mm(中間) | |||
車体幅 | 2,490mm | |||
車高 | 3,120mm(先頭)、3,115mm(中間) | |||
制御方式 | 【更新前】回生ブレーキ付 VVVF-GTOインバータ制御 【更新後】同 VVVF-IGBTインバータ制御 |
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主電動機(100kW) | ● | ● | ● | ● |
歯車比 | ||||
運転台 | ATO プッシュボタン式 | |||
営業最高速度 | 70km/h | |||
設計最高速度 | 70km/h | |||
加速度 | 2.5km/h/s | |||
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常時) | |||
集電方式/電圧 | ばね上昇空気下降式シングルアーム / 架空電車線式 1,500V | |||
集電装置 | ||||
(設置台車) | ● | ○ | ○ | ● |
所属 | 鶴見検車場 |