【形式紹介】今里筋線・長堀鶴見緑地線80系

【形式紹介】今里筋線・長堀鶴見緑地線80系

Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)80系車両は、2006年12月24日より営業運転を開始した今里筋線・長堀鶴見緑地線用の車両です。

編成表はこちら

 

車両概要

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原則的には長堀鶴見緑地線70系と同様のスタイルとなっていますが、ヘッドライトの丸目化やブラックフェイス部の縦方向への延長など、70系をより近代的なスタイルへとマイナーチェンジした格好になっています。

70系では側面方向幕にLED式が採用されていましたが、80系ではコスト上の問題で方向幕化。

乗降扉についても窓部分を平板化させることによりコスト削減を図るなど、バブリーな時代に生まれた70系と違ってよりコスト意識を徹底させた車両になっています。

 

 

プロトタイプ(先行試作車)

01編成については他の車両とは異なるプロトタイプ(先行試作車)で、わかりやすい差としては扉の構造が異なります。

よく聞くと開閉時の音に差があり、01編成は電動モーター&ベルトドライブ式の駆動装置を試験的に採用。電動ドアのような音が響くのが特徴です。

それに対して02~17編成までの量産車では、従来通りの空気式単動形ベルト駆動方式を採用。

今後の車両製作へ活かすため、両者を併存させて長期使用していくこととなりました。

 

▲跡が残る01編成
▲量産車両は跡がありません(09編成)

この他、先行試作車は長堀鶴見緑地線への入線にあたって転落防止幌が取り付けられており、今里筋線への転入時に取り外されました。現在でもその跡が残っています。

また、先行試作車製造時にはなかった新火災対策基準の施行に伴い、量産車からは防火基準の強化が図られました。

 

 

長堀鶴見緑地線への転属

長堀鶴見緑地線の増発、および今里筋線のデータイムにおける減便(7.5→10分間隔)を受けて、1編成余剰となったことから80系17編成が長堀鶴見緑地線用に改造されることになりました。

2018年8月23日・24日に搬入、2019年3月18日から営業運転をスタートさせました。

出典:大阪市電子入札システム

 

施工は川重車両テクノが担当、  平成30年1月11日に8千万円で入札されました。

 

 

試運転中の80系31編成。

 

車体構造や規格は似ているものの、改造内容としてはかなり大掛かりなものとなっています。

・制御装置、空気制動装置の設置
・長堀鶴見緑地線ATO装置の追加
・誘導無線装置の設置
・車体カラーの変更
・車体前部にあった「8」ロゴを外して「Osaka Metro」ロゴを貼り付け

そのせいか一旦は営業運転デビューさせたものの、その後も2ヶ月ほどしばらくは試運転を繰り返していました。

 

方向幕は70系のようなLEDではなく、80系準拠の方向幕のままとなりました。長堀鶴見緑地線としては初の採用ケースです。

 

現在では70系と共通で運行されています。

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主要諸元表

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 形 式 8100 8200 8400 8500
 車体構造 アルミ
 車 種 M2c M1e M1e M2c
 自 重 26.5t 24.5t 24.5t 26.5t
 定 員(~7113F) 88(座席26) 99(座席34) 99(座席34) 88(座席26)
 車体長 15,200mm(連結器含まず・先頭)、15,000mm(中間)
 車体幅 2,496mm
 車高 3,120mm(先頭)、3,110mm(中間)
 制御方式 回生ブレーキ付  VVVF-IGBTインバータ制御
 主電動機(100kW)
MB-7005-B
 歯車比
 運転台
 営業最高速度 70km/h
 設計最高速度 70km/h
 加速度 2.5km/h/s
 減速度 3.5km/h/s(常用最大)  4.5km/h/s(非常時)
 集電方式/電圧 ばね上昇空気下降式シングルアーム / 架空電車線式 1,500V
 集電装置 PT-7005A
 (設置台車)
 所属 鶴見検車場
  

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