大阪市(都市交通局)は、現在実施しているBRT「いまざとライナー」の実証実験を2年延長し、2025年度(2026年3月)までとすることを発表しました。
当初は開始後5年間、すなわち2023年3月末までを期限としていましたが、コロナの影響で需要喚起が不十分だったことを考慮し、再度延長する方針となりました。
行く先は暗雲
いまざとライナーは、今里筋線の湯里六丁目延伸の代替措置として、自民党が大阪市交通局の民営化へ賛成する条件として誕生。5年間の期限付きで実証実験を行うとしてきました。
「地下鉄がもし伸びたら…」という想定で運行されていることから、途中停車駅が少なく、実質的な快速運転バスとなっていることが評価されています。
通常のバスは350m間隔ですが、いまざとライナーは地下鉄想定なので停留場の1km間隔で設定されています。
しかしその反面、大阪シティバスと運行区間が被っている区間では、利用者が減少しているという実態も浮き彫りになりました。
最も影響が大きかったのは湯里六丁目~地下鉄長居間で、2023年10月に行われたダイヤ改正後では1日あたり404人の乗車人員だったのが、283見人に減少しています。
杭全~あべの橋では1号系統が、地下鉄長居~湯里六丁目では4号系統が、湯里六丁目~杭全では6号系統が、杭全~今里では35号系統がそれぞれ重複しています。
いまざとライナーも終焉?
2023年10月には、20分間隔での運行では供給が多すぎるとして、30分間隔での運行(今里~あべの橋で15分間隔、今里~JR長居駅前で15分間隔)にする減便を行いました。
沿線にある施設(長居公園、セレッソ大阪、大阪コリアタウンなど)との連携イベントを実施したものの、利用者増加までには至っていません。
現状、利用者は増加(平日で3000-4000人)しているものの、想定の利用者数(将来的に4400-4700人)では年間1.2~1.8億円の赤字が続くとの見通しとなっており、このままいけば将来的な廃止は避けられなさそうです。
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