都営地下鉄「12-000形」保存車の中が完全に70系だった件

都営地下鉄「12-000形」保存車の中が完全に70系だった件

小型な車内、天井へ向かって狭まる幅、大型LED表示ユニット……この写真、なんとなく長堀鶴見緑地線の70系っぽくないですか?

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こちらが70系の車内。に、似ている……

実はこれ、東京に保存されている大江戸線12-000系のプロトモデル車両なんです。

2年前にも訪れたのですが、生憎コロナの関係で車内が見れなかったので、今回再チャレンジしてきました。

 

2年ぶりのご対面

保存されているのは、大江戸線に縁もゆかりもない豊島区の千早フラワー公園。

西武線の椎名町駅と、東京メトロ副都心線・有楽町線の要町駅の中間地点に位置しています。

この車両自体は、以前にもお伝えした通りですね。

前来た時は草がぼうぼうだったのですが、今回は綺麗に刈り取られて維持されているようです。

公式サイトでは「現在解放を休止している」となっていますが、実際には車内の解放が再開しており、普通に車内へ入ることが出来ました。

利用時間は4~10月が朝9時~17時まで、11~3月が16時までです。

ということで、早速入ってみましょう。

 

車内が70系

う、うおおおおお……!!!

2年越しに中へ入れた12-000形プロトタイプ車。冒頭でも書きましたが、めちゃくちゃ70系に似ています。

何より、この大型のLED装置らしきものが一層それを感じさせます。

1989年ですが、この時代ならではの未来感。

70系のものと比べてみても、やはりそれっぽさを感じますね。

そしてこの車端側に寄せられた非常用のドア、そしてそこから見える運転台は、まさに長堀鶴見緑地線で前面展望をしている時のアングル!!

後ろを向いてみましょう。こちらは窓が埋められている関係でそこまでの相似性は感じませんが、基本的な形状は70系ですね。

読めない看板

保存車両同士の間には、風化しつつある看板が設置されていました。表裏で内容が異なります。

表側には12号線(大江戸線)試作車の解説版がありますが、劣化具合が激しく非常に読みづらくなっています…。

12-000プロトタイプ 主要諸元表

項目 仕様
形式 12-000形(12-001・12-002)
車種 軽量ステンレス製2軸ボギー車
構成 Tc+Mc(8両時は4M4Tを想定)
レールゲージ 1,435mm
電気方式 直流1500V、架空電車線方式
自重 Mc(12-002) 27t、Tc(12-001) 24t
定員 88名(着座定員36名)
車両寸法
(長さ・幅・高さ)
18500mm x 2500mm x 3045mm
車体寸法
(長さ・幅・高さ)
18250mm x 2499mm x 3045mm
床面高さ 650mm
連結器高さ 600mm
客室高さ 2035mm
出入り口 1300mm(幅) x 1800mm(高さ)、両開き、3扉
乗務員室構造 右側運転台全室
台車中心間距離 11000mm
台車 複合ボルスタレス空気ばね台車
駆動方式 歯車式平行可とう駆動方式
歯車比 74/14=5.29
主電動機 3相かご形誘導電動機120kW、AC1100V、80A
制御装置 回生ブレーキ付きVVVFインバータ
ブレーキ装置 電気指令式、新遅れ込め方式
運転最高速度 70km/h
加速度 3.0km/h/s
減速度 常用 3.5km/h/s
非常4.5km/h/s

 

こちらは12号線(大江戸線)の概要が記されていました。搬入の様子らしき写真が知るられていたようですが、剥がされたのか写真が見えません…

文章から見るに、馬込検車場から千早フラワー公園まで陸送されてきたようですね。

 

みなさんも東京へ行った際には、ぜひこのリニア地下鉄の始祖を見に行ってみてくださいね。

 

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