2018年6月18日7時58分、大阪北部を震源地とする地震が発生した影響で、大阪メトロ(Osaka Metro)も全線が一旦運休するなどの被害を受けました。
この地震では梅田が位置する大阪市北区で震度6、都島区や東淀川区で震度5、それ以外の大阪市内でも震度4を計測しています。
将来、同じような地震災害が起きた場合に「どれぐらいで動くのか・動かないのか」「その場にいたほうがいいのか、帰る準備をしたほうがいいのか」という指標として、後々検索で情報を得られるようにここに記録しておきます。
地震の時は復帰までどれぐらい?
地震の際は、原則的に作業員の方が地下トンネルを一つ一つ全線点検して廻ります。その為、1時間程度では復旧しません。
今回の地震で復旧が最速だったのが「谷町線・四つ橋線・長堀鶴見緑地線・今里筋線」で、いずれも2時間ほどでの復旧を果たしています。
これは全線が地下(谷町線は八尾南だけ地上)で揺れの被害が少なかったことが挙げられます。地下路線は地震の際、地盤と一緒に動くので比較的被害が少ない傾向にあります。
逆に時間がかかったのが、高架区間を持つ「御堂筋線・中央線」で、復旧まで中央線は7時間、御堂筋線に至っては13時間かかっています。
高架区間は地盤と逆の動きをする分地震の被害が大きくなりがちで、今回この2路線も第三軌条が落下するなどの対応に追われました。
復旧状況のタイムライン
7時58分:地震発生。全列車運行をストップ。乗客は列車から駅外へ出される。
8時15分:この時点で「江坂駅で第三軌条が落下した」というL-Nankoさんの写真付き(=信憑性が高い)のツイートが出回る。これらのことから御堂筋線の復旧にはかなり時間を要するものという判断が可能に。
https://twitter.com/NankoLocal/status/1008488260023152640
9時20分頃:「9時半より運転再開」との報が流れる。実際には10時10分までずれ込む。
10時10分:まず谷町線・長堀鶴見緑地線・今里筋線が運転再開。この時点で被災から2時間12分。
10時20分:次いで四つ橋線が運転再開。
10時40分:ニュートラムが運転再開。
11時50分:堺筋線(天神橋筋六丁目まで)が運転再開。阪急線内でかなり被害が出たため、引き続き直通運転は中止。
12時00分:千日前線が運転再開。
13時50分:御堂筋線 なかもず~中津まで運転再開。
14時30分:中央線が運転再開。かなり遅れましたが、これは朝潮橋駅において第三軌条がズレていたのが要因。この時点で全路線が仮復旧、被災から6時間半。
18時50分:御堂筋線 なかもず~新大阪まで運転再開。
20時16分:堺筋線の直通運転再開。ただし南茨木駅は駅舎損傷の為に通過扱い。
20時58分:新大阪駅から営業列車を延長する形で試運転として被災区間へ入線(10系11編成)
21時40分(国土交通省の記録では21時25分):全線復帰。この時点で13時間42分でした。
被災状況
国土交通省のサイトによると、大阪メトロ、並びに直通先の北大阪急行においての被災状況は次の通り。
御堂筋線:新大阪~東三国間で第三軌条(電力供給の線)が落下。
御堂筋線:江坂駅で第三軌条が落下。
中央線:朝潮橋駅付近で第三軌条がズレる
北大阪急行:江坂~緑地公園間で第三軌条が落下。
この影響で北大阪急行の車両は一時自社線に戻れなくなり、暫定的に中津・新大阪での折返し運転を余儀なくされました。
高架区間は地震による揺れ幅が大きい(揺れに対して慣性の法則で逆に力がかかるため)為、第三軌条が落下するほどの被害を受けてました。
一方、全線が地下区間な四つ橋線・長堀鶴見緑地線・今里筋線、および殆どが地下区間の谷町線が早期に復旧できたのは、このこともあるようです。
参考文献
国土交通省『大阪府北部を震源とする地震について(第4報)』
http://www.mlit.go.jp/common/001239026.pdf
『Osaka Metro 運行情報』(Twitter)
https://twitter.com/osakatransport