北摂民のみならず、御堂筋線ユーザーにとっても50年近く親しまれてきた千里中央行きですが、2023年度(2024年3月)の箕面萱野駅開業と同時に見納めとなるようです。
早朝・深夜など僅かに残る可能性もありますが、少なくとも現在運行されてるような日中の千里中央行きは消滅します。
当初は千中折返し案もあった
箕面市が発表しているサイトによると、千里中央駅での折り返し運行は設置しているポイント機器がなくなるため将来的にできなくなると説明を行っています。
千里中央駅での折り返し運行の検討についてご意見があり、千里中央駅に設置されている分岐器が無くなるため、千里中央駅での折り返し運転はできなくなる旨を説明しました。
出典:箕面市「令和3年度市民説明会の実施結果」
【追記】その後、最新の令和5年に発表された資料によると、千里中央駅南側の分岐器自体は非常用に残るようです。
ただ、あくまで非常用であり、通常運行には使用されなくなるので、千里中央行きが消滅することに違いはありません。
この件について熱心に調査されているOsaka Metropolisさんによると、2007年3月時点では運行本数の半分を千里中央折返しにする計画で、後に変更されて現在に至っているそうです。
北大阪急行のデータイム運行本数は7分半に1本なので、このプランが適用されていた場合、箕面~千里間の本数は15分に1本となっていました。
何故千中折り返しをやめた?
では、何故千里中央での折り返しをやめたのかですが、どうも地盤が関連しているようです。
箕面市の議事録によると、当初千里中央北側では真ん中に折返し線を作る3線構造を予定していました。
しかし当該区間が軟弱地盤層で、この区間にアンダーピニングをしてまで3線を維持すると薬液の大量注入で費用が高騰することから、「シールドでそのままぶち抜いた方が安価に作れる」という理由のようです。
アンダーピニングとは
地下工事を行う際、建物が地盤沈下したり傾斜を起さないよう予防する基礎の補強工事のこと。
(地域創造部)このアンダーピニングのところですけれども、ヤマダ電機、またタワーマンション、これは全てべた基礎になってます。これは当初、大阪府が売却するときに、きっちり地下鉄計画があるのでその部分はあけとくようにということできっちりあいております。(中略)
なぜ同じアンダーピニングでかかるかといいますと、地盤調査をきっちりやった結果、やっぱり軟弱な地層ということがわかって、同じアンダーピニングをやるにしても薬液注入等で相当お金がかかると、こういうことが判明しましたので、そのアンダーピニングと引き上げ線、折り返し線をやめて、シールド工法で全て船場から千里中央まで行くというのが最も効果的ということで、シールド工法を選択したというところでございます。
出典:箕面市議事録「平成26年3月 北大阪急行南北線延伸事業化特別委員会 03月14日-02号」
ちなみに、地上部に何もなかったら開削工法(上から掘っていく工法)で作れたとの発言もあり、もし2008年のオープン以前に延伸工事が実施されていれば、引き続き千里中央折り返しが見れたのかもしれません。
この他、千里中央での連結・解結案までもあったのだとか。
そうなると中間運転台が必要になるので、現在は車庫内でだけ姿を見せるこの顔が改造されていたかもしれません
非現実的すぎると鉄道ファンならさっと気づきますが、結構真剣に検討していたのだそうです。
自動放送も更新?
音鉄として気になるのが、自動放送の処遇についてですよね。
現在谷町線・ニュートラムで導入されている人工知能での自動放送ですが、箕面萱野延伸時前あたりで切り替わる可能性が非常に高いといえるでしょう。
もっとも、当初は2020年の切替をアナウンスしていましたが、おそらく延伸事業が3年遅れたことによって自動放送のスケジュールにも変更が出たものと思われます。
また、現在千里中央駅で流れている季節ごとにかわる発車メロディが、箕面萱野駅でも引き続き継続することになるのかも気になる部分ですね。
関連リンク
参考文献
箕面市「令和3年度市民説明会の実施結果」