大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)400系車両は、2023年6月25日から投入を予定している中央線用の新型車両です。
従来使用されてきた20系の代替車両、および大阪・関西万博の輸送用として様々な新機軸を引っ提げ登場しました。
2023年5月現在4編成が搬入済みとなっています。
外観デザインの特徴
なんといっても目を引くその外観デザインは、宇宙船をイメージしたもの。
四隅に配置されたライトや、「バトルドーム」「ポケモンのオニゴーリ」などと比喩され、賛否両論なこのデザインは一度見ると忘れられないインパクト大のデザインです。
30000A系が10系・20系のような保守的なデザイン性を受け継いだものとしたら、この400系は新20系のアバンギャルドなデザイン性を受け継いだものだと言えるでしょう。
大阪メトロは、400系のデザインについて次のように言及しています。
大阪・関西万博に向けて中央線を「活力インフラ」の舞台・夢洲につながる未来への路線と位置づけて、前面形状をガラス張りの展望形状とし、宇宙船を意識させる未来的デザインを採用しました。それによって、お客さまからの展望や将来の自動運転の可能性を示唆する外観、そして Osaka Metro が提供するアプリや大阪シティバス、オンデマンドバスなどの MaaS との関連性を暗示させる魅力的なデザインとしました。
また、ホーム可動柵時代の乗降口の明確化と、最新室内装備によるコミュニケーションをデザインテーマとし、扉に中央線の号線色のグリーンを主体に、各車両の装備に応じた配色としました。
出典:https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20211209_400kei_30000Akei_dounyu.php
この造形を実現するため、3次元削り出し加工によって切削されました。この工法では歪みが少なく、精美で美しい車体として仕上がります。
車番はニュートラムと同じ様式である「-(ハイフン)」を用いたスタイルになりました。
地下鉄用としては初めての採用となります。
これまでの動き
山口県にある日立製作所笠戸事業所で作り上げられた400系は、2022年10月24日頃から貨物船「泉陽丸」への積み込みを開始。
26日に大阪へ到着し、某所にて吊り上げられました。
撮影:もぐら様
同日晩(日付的には27日)、50名近いギャラリーに見守られて陸送を開始。緑木検車場へと搬入されていきました。
検車場内での構内運転が行われる姿は目撃されていたものの、その後はしばらく音沙汰がない状態でした。
12月に入り、マスコミ向けに報道公開を実施。在阪メディアがこぞって新しい車両を取り上げました。
12月14日、四つ橋線内にて誘導障害試験と思われる夜間試運転を開始。
真っ赤な4つのテールライトを灯しながら、ゆっくりと初めての営業線へと出発していきました。
2023年3月2日、近鉄に貸し出され夜間の試運転を実施。
2023年3月17日、初めて営業時間内での試運転をスタートさせました。
2023年4月4日から26日まで再度01編成が近鉄へ貸し出され、誘導障害試験やハンドル訓練などを実施。
26日に返却回送が行われました。
一方、02編成は中央線内で昼間の試運転をスタート。デビューまでの歩みを着実にすすめています。
走行の様子
走行時の様子。
こちらは走行音がよく聞こえる動画です。
400系は30000A系と共同で、大阪・関西万博の輸送を担います。
今後、合計23編成が導入される見込みです。
主要諸元表
←長田(1号車) | コスモスクエア(6号車)→ | ||||||
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形 式 | 409 | 402 | 403 | 408 | 401 | 406 |
車体構造 | アルミ | |||||
車 種 (M…電動車、T…付随車、c…運転台付 b…集電靴付) |
Tc2 | M3 | Mb2 | T2 | Mb1 | Tc1 |
自 重 | 31.4t | 33.9t | 33.6t | 24.8t | 34.8t | 31.4t |
定 員 | 125人 (着座27人) |
139人 (着座39人) |
140人 (着座39人) |
140人 (着座27) |
139人 (着座39人) |
125人 (着座27人) |
座 席 | ロング | ロング | ロング | クロス | ロング | ロング |
車体長 | 先頭車18,200mm、中間車18,000mm | |||||
車体幅 | 先頭車2,800mm | |||||
車 高 | 先頭車3,745mm、中間車3,735mm | |||||
制御方式 | 回生ブレーキ付 VVVF-IGBTインバータ制御 | |||||
主電動機(3M3T) 遠心分離式フィルタレス三相かご形誘導電動機 定格出力140kw(4台/両) |
– | ● | – | ● | ● | – |
歯車比 | 6.19≒99:16 | |||||
運転台 | ワンハンドル(P3、N1、B6、EB1) | |||||
営業最高速度 | 95km/h | |||||
設計最高速度 | 95km/h | |||||
加速度 | 3.3km/h/s | |||||
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常時) | |||||
集電方式/電圧 | 第三軌条上面接触式 / 直流750V | |||||
(設置台車) 日本製鐵制 WS400、メーカー型番SS191 ボルスタレス台車 |
● | ● | – | ● | – | ● |
所属 | 緑木検車場 |
30000A系との比較表
400系 | 30000A系 | |
---|---|---|
形式名 | 400系 | 30000A系 |
車番 | 400-00 | 30000 |
製造本数 | 23本(予定) | 10本 |
投入路線 | 中央線 | 中央線 |
最高速度 | 95km/h | 95km/h |
台車 | WS400 (SS191) |
WS-300 (SS190) |
抑速ブレーキ | あり | あり |
デザイン | 宇宙船 | スパークルドット |
製造 | 日立製作所 | 近畿車輛 |