2008年の大阪オリンピック計画時、大阪北港(咲州・舞洲・夢洲)への中央線延伸計画が持ち上がったことがあります。
その計画を見越して、以前お話したコスモスクエア~夢洲間にかかる「夢咲トンネル」には、既に鉄道用の敷地が確保されていることを前回記事にしましたね。
そして、この時に同時計画されていたのが、夢洲への中央線車庫移転計画でした。
あれから16年
2001年のオリンピック開催地選考に敗れてから16年。万博やIR構想を進める大阪府の松井知事は、夢洲の地に必ず鉄道を延伸させる計画を発表しています。
この計画には3路線の案が浮上していますが、この中でもっとも安く建設できるのは中央線延伸案で、最も現実味がある路線案となっています。
真偽は?
大阪オリンピック構想時には、中央線の延伸と合わせて夢洲に車庫を建設する…という話があったと聞いていますが、そもそも、本当に計画があったのか?また、今でもそれが残っているのか?
今回はその真偽を確かめるべく、大阪港一帯を管理する大阪市港湾局の広報担当の方にお話を伺いました。
「現在でも車庫の計画はあります。夢洲に地下構造で、中央線の電車換算(6両編成)で10列車分の留置線、それと併せて洗浄線や検査線も兼ね備えた車庫の予定です。」
現在でもこの計画はあったようです…!また、広報さんのお話によれば10列車分あるとのこと。
更に詳しく調べていくと、大阪市とOTSが出している「北港テクノポート線建設事業に係る事後調査報告書(PDF)」というファイルの中にも、その記述を確認することが出来ます。
出典:株式会社大阪港トランスポートシステム,大阪市「北港テクノポート線建設事業に係る事後調査報告書(PDF)」3p,
この図を見ていると、車庫は夢洲駅の東側あたりに設置することが図示されていますね。
以前、「森之宮検車場(車庫用地)は10年後に廃止?」という記事を書きましたが、この代替地として夢洲に車庫を設置するのなら、中央線車両の留置場所に関しての辻褄が、一見あいそうに見えます。
どこに置く?
ところが、よくよく数えてみると中央線の車両は全部で20本。このうち半数を夢洲車庫に置くとしても、残り10本。
夜間の駅への留置は、なにわの地下鉄によると4本であることから、留置しているコスモスクエア駅の代わりに夢洲駅にも1本留置できると考えれば残り6本。
この6本をどこかに留置しなければいけないので、森之宮検車場の縮小はあっても、全廃まではいかないかもしれませんね。
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Photo,Writer :Series207 2017/6/06