今から33年前の1986年(昭和61年)10月01日。
この日は、中央線と近鉄東大阪線との相互直通運転がスタートした日です。
一時は第三軌条・架線のハイブリッド車両を考えた近鉄
戦後の奈良線沿線の人口増加によって、近鉄は当初石切~森ノ宮間にバイパス路線の建設を計画していました。
しかしながら京阪電鉄も大和田から森ノ宮へ至るバイパス路線を計画。更に大阪市営地下鉄が中央線の大阪港~森ノ宮~放出方面を計画します。
話し合いの末、大阪市内~荒本は大阪市営地下鉄が、残る荒本から生駒・大和田への各区間は近鉄・京阪が運行することになったものの、肝心の大阪市営地下鉄が第三軌条で中央線を建設。
このことから、架線式の京阪電鉄はこの計画から撤退してしまいます。
近鉄も第三軌条・架線両方に対応した車両を作ろうとしたものの、安全面での懸念から撤退、一時はそこで話がストップしてしまいます。
近鉄が生駒までを担当することに
撮影:七鶴様
ところが、1971年に出された都市交通審議会答申第13号において、中央線は生駒までの早期整備を求められます。
大阪市営地下鉄はあくまで市内の交通を担う、という観点から、大阪市内のエリアである長田までは中央線が、残る生駒までは近鉄が建設をすることになりました。
近鉄はすかさず東大阪生駒電鉄という子会社を設立。
建設は東大阪生駒電鉄が行い、建設後に近鉄が吸収合併。そしてこの10月1日に華々しく開業したのでした。以後、近鉄の路線として運営されています。
その後、2006年には新たに生駒~学研奈良登美ヶ丘間が開業。路線名称を「けいはんな線」とし、現在に至っています。
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Photo,Writer : Series207 2015/09/27