大阪市営地下鉄マニアから見た、橋下市長が実行した7つの改革まとめ

大阪市営地下鉄マニアから見た、橋下市長が実行した7つの改革まとめ

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橋下市長になってから、大阪市営地下鉄も色々変わりましたね。

大阪市営地下鉄を利用者の中で誰よりも近くで見ているのが、大阪市営地下鉄マニアである私や、その他の大阪市営ファン。変化にはとっても敏感です。

 

今日は大阪市営地下鉄マニアから見た橋下市長がやったことを、まとめてみました。

 

参考リンク

 

メリット①:駅売店をファミマとポプラへ転換

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従来は大阪市交通局の”お仲間団体”、所謂天下り先であった「大阪メトロサービス」が売店事業を実施していました。

大阪市民の財産である駅ナカ一等地を独占し、愛想の悪いおばちゃんが商品数の少ない店を運営しているところは、とてもじゃないですけど効率的とは言えませんでしたね。

 

元々、平松市長時代から売店売上減少は課題となっており、当初は既存の天下り団体「大阪メトロサービス」を活用して、2013年度を目途にミニコンビニ等への業態変更や専門店への転換を進める計画でした。

 

しかし橋下市長は、その基本政策は維持したまま、天下り団体の大阪メトロサービスではなく、純民間事業者をテナントに入れる事を決定。

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こうして2012年7月13日、中央線を境に北側は、落札価格1億6398万3128円でポプラが、南エリア(中央線も含む)は、落札価格2億5556万9014円でファミリーマートが事業落札。

コンビニなどから応募があり、高い駅使用料を提示した2社を選んだ。2社が提示した価格は計約3億5000万円。交通局の駅使用料収入は、市の外郭団体などから得ていた従来の年間約7000万円から一気に約5倍に増える見込みだ。

地下鉄の駅売店は従来、市の外郭団体がほぼ独占的に運営してきた。交通局は乗客へのサービス向上や駅使用料収入の増収のため、6月に運営会社を公募していた。

― 日本経済新聞より

年間の使用料は3億5000万円だそうです。

 

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生鮮食品や扱われる商品の数もグっと増えて、めちゃくちゃ使いやすくなりましたね。

2015年にはJR西日本もセブンイレブンと提携するようになりましたし、駅ナカビジネスに専門業者が入っていく流れの中で、鉄道事業者の中でもよりも早くファミマとポプラを入れたことは先見の明があったのかもしれません。

その一方で、2012年7月31日に全店舗が閉店してから9月20日まで最初の店舗がオープン出来なかったりと、導入当初はトラブルにも見舞われました。

関連記事: http://www.nikkei.com/article/DGXNASJB1302K_T10C12A7LDA000/

 

メリット②:駅ナカビジネス「ekimo」をオープン

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平松市長が計画し、橋下市長が実行した政策として、天王寺・梅田・難波駅構内に商業スペースを創り出し、「ekimo」としてエキナカビジネスに参入。

ekimoの発表は2011年7月5日。平松前市長の任期は2011年11月まででしたから、ekimoの導入を計画・決定したのは平松市長で、橋下市長はそれを受け継いで実行したことになります。

つまりekimo事業は、平松・橋下両市長の成果といえそうです。

関連ソース

https://www.tokyu-land.co.jp/news/2011/pdf/20110705.pdf – 南海電鉄・東急不動産の合同プレスリリース

http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/library/ct/other000012800/h23yo_katei.pdf – 大阪市交通局平成23年度予算案

 

 

メリット③:平均30分近くの終電延長

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1991年以来、終電時刻が変わらなかった大阪市営地下鉄ですが、おおよそ22年ぶりの終電延長を実現させたその功績はかなり大きいですね。

「保守時間が必要…」という出来ない理由を、出来る理由に変えた意識変革の功績も素晴らしいです。

大阪市によると、地下鉄の終電延長は1991年以来22年ぶり。過去にも「私鉄やJRより終電時間が早い」と改善を求める指摘はあったが、保守点検時間の確保などが壁になり、進まなかった。

ところが、橋下徹市長が交通局長に任命した元京福電鉄副社長の藤本昌信氏が、民営化への第一歩として終電延長に強い意欲を見せ、議論が再燃。これまでは車庫に戻るだけだった回送列車に客を乗せて最寄り駅まで運ぶ方法で延長が実現した。延長に伴う人件費などのコスト増は、職員の勤務シフトを効率化することで解消する。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC2103N_S3A320C1AC1000/

 

メリット④:汚物のようだったトイレの美化改修

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地下鉄のトイレって本当に汚かったんです。

 

これは国鉄にも言えたことなんですけど、国営・公営の鉄道事業者のトイレって本当に汚い。昭和55年頃に作られた千日前線や谷町線の末端区間などのトイレが、30年近くそのままほったらかしでした。

そこで実行に移されたのが近年完成してまだリニューアルの必要がない今里筋線を除いた、全駅のトイレリニューアル事業。あっという間に美しいトイレへと改修されました。

 

併せて、新大阪駅のトイレが「日本トイレ大賞:国土交通大臣賞」を受賞するなど、確実に綺麗になっています

関連リンク

 

メリット⑤:史上初の(1区料金)値下げ

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これまで、値上げすることはあっても値下げすることは全くなかった大阪市営地下鉄。

 

2区以降は消費税増税分だけ値上げされましたが、1区料金は20円値下げ(増税分を考えると実質30円値下げ)された180円に。

このあたりは、1区100円への値下げを公約に掲げていた平松前市長と評価が別れる所ですが、増税で値上げやむなしだったにも関わらず、断固として引き下げ断行を実行したのは実に評価されるポイントです

 

 メリット⑥:大阪市営バスの31年ぶり経常収支黒字化

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赤バスの廃止に始まり、歌島橋・弁天町バスターミナル、長吉・今里車庫、上本町操車場などの廃止、不採算路線の廃止・縮小、また大阪運輸振興という外郭団体への委託などにより、昭和57年以来31年ぶりに自動車事業(大阪市バス)の黒字化に成功しました。

尚、市バスの減便自体は、赤字が叫ばれていた平松市長時代から一貫として行われ、幹線系統は10%、地方を回るコミュニティバスは50%もの削減が行われていたことから、一概に橋下市長だけが減便を行ったとも言えません。

 

メリット⑦ サインシステムのリニューアル

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1980年代に制定されたサインシステムをリニューアル。

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残距離表記がつき、目的地までの距離がわかりやすくなりましたね!

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バリアフリーを標榜とするはずの大阪市営地下鉄ですが、これまでかなりのところで野良サインが散見されていました(これに関しては新サインシステムを導入していない今もですが…笑)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。橋下市長の実行力は素晴らしいものがありますね。

また、平松前市長の計画・立案力も見逃せないところです。バスやekimoなど、両者のタッグで実現した政策がこれほどまでにあろうとは……。

これからの大阪市営地下鉄はどうなっていくのか、注目ですね。

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Special Thanks:スーパー加越
Photo,Writer : Series207  2015/11/12




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