Osaka Metro(大阪メトロ) 9号線は、2019年現在住之江公園~喜連瓜破間を結ぶ地下鉄の構想路線です。
仮称としては地上を走行する道路である「敷津長吉線(長居公園通)」からそのまま名前をとった、敷津長吉線とも言われます。
新線建設構想
出典:「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について
おそらく大阪メトロ最後の新規路線となる9号線(敷津長吉線)は、住之江公園から喜連瓜破までの7.0kmを結ぶ路線で、長堀鶴見緑地線・今里筋線と共にリニア式地下鉄となります。
需要予測で検討された駅数は全7駅。このうち2駅は住之江公園と喜連瓜破であるとして、残り5駅については大阪の地下鉄がおおよそ1kmごとに駅が設置される傾向がありますから、駅を予測するとこういう感じでしょうか。
起点である住之江公園と終点である喜連瓜破は確定、乗換予定駅である長居と湯里六丁目(ただし今里筋線は未開業)も確定しています。残る3駅は距離数から図った場合、上記の位置になると当サイトでは予測しています。
9号線は全線地下式構造での建設予定で、今里筋線と接続して半環状線化する構想もあります。
計画路線の地上走行動画
敷津長吉線の地上を住之江公園→喜連瓜破間で走ってきました!地上の雰囲気をご覧になりたい方は是非ご覧になってみて下さいね。
新設部建設計画
9号線の新規路線開業にあたっては、全11編成の車両が準備されます。(コスト削減プランでは10編成となっています)
車庫は長居公園地下に新設とあり、今里筋線の清水行きと同様にラッシュ時には長居行きが設定されることが想定されます。
最大編成数は6両を想定していますが、開業にあたっては他リニア地下鉄と同様に4両で運用開始となる見込みです。
延伸区間 | 住之江公園~喜連瓜破 |
駅数 | 7駅(住之江公園・喜連瓜破を含む) |
建設延長/営業延長 | 7.0km/6.9km |
必要列車数 | 11列車(コスト削減プランでは10列車) |
計画最大編成数 | 6両 |
車庫計画 | 長居公園地下に新設 |
構造 | 全線地下式 |
車両規格 | リニアモーター式(既存の長堀鶴見緑地線と同様) |
新設部運転計画
・朝ラッシュ時:4分~5分間隔
・データイム時:10分間隔
・夕ラッシュ時:5分間隔
ニュートラムの延伸案は?
「9号線はニュートラムを延伸させてはどうか」「ニュートラムが担うのでは?」という話があります。
確かに、ニュートラムの終点である住之江公園駅は、9号線と向きも同じ東西方向ですし、そのまま延長するのが自然なようにも思えてきます。
ただ、この案は大阪市の資料できっぱりと否定されています。その理由の中に、「高高架で東西方向の路線
のため、影響が大きい」ことが挙げられています。
9号線は途中南海本線・高野線(現在は地平)・JR阪和線・近鉄南大阪線と4つの他社線が南北方向に縦貫しており、そこを越えるには更に高い高架線を建設せねばなりません。となると、特に日照権の侵害や景観上の影響が深刻になってきます。
また、湯里六丁目~住之江公園間は道路幅員が25mしかなく、新たに用地買収の必要が出てきます。
これらの理由から、ニュートラムの高架線での延伸案は否定されているのです。
ほぼ凍結された現在
2019年現在、このルートには大阪シティバスの4号系統がそっくりそのまま走っています。また、BRT「いまざとライナー」もこの一部区間を走行しています。
9号は、1989年5月31日の運輸政策審議会答申第10号に「今後の整備を検討する路線」として盛り込まれましたが、2004年10月8日に開かれた近畿地方交通審議会答申第8号には盛り込ませんでした。
また、2014年時点の試算では人口減も考慮したところ黒字転換がなされず、極めて厳しいとの評価が得られたことから、現在は一切の建設の目処が立っていません。
他の延伸構想データベース
参考資料
『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について 』平成26年8月28日 大阪市鉄道ネットワーク審議会
『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について(答申)内、資料1-2 「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について(答申)(その2)』- 2014年8月30日