近鉄けいはんな線では、珍しく「試運転」の電車を表示・サウンドの両面から旅客に案内するシステムを採用しています。
他社の場合
大阪メトロを含む一般的な鉄道企業では、「試運転列車」と「回送列車」はどちらも同じ扱いで、旅客側としても乗れない電車であることには変わりないので、そういった扱いになっている例が多く見られます。
上の写真を見てもらうとおわかりになりますが、電車は「試運転」でも発車標は「回送」となっていますよね。
尚、近年では撮影されるのを嫌ってか、一部の運転士さんが試運転電車なのに敢えて「回送」幕にすることがあるようです。
JR西日本では電車の方向幕ですらそれを省略し始め、近年では「回送・試運転」というごちゃ混ぜの表記へと変わりつつあります。
ところが、近鉄けいはんな線ではご丁寧に「試運転」と「回送」の表示を明確に分けており、それらに対応した表示や音源を用意しています。
表示
まずは電車側。「試運転 Out of service」の表示が出ていますね。
電車側で試運転表示を出すのは様々な鉄道企業においてよく見られ、趣味者もこれを追うためにあれこれ撮影に励んでいます。
また、別途「試運転 Test run」という表記も持っているようです。
発車標にも「試運転」の表示があります。
こちらはちょっと珍しい事例で、例えば先程の画像のように大阪メトロ等では一緒くたに「回送」と表示される事例が多く見られます。
ちなみに、新石切駅では「当駅止め」の表示が出ることもあります。
無表示から変わるのは到着列車が始発駅に到着した頃のようです。
サウンド
新石切駅 2番乗り場 試運転到着
(けいはんな線メロディ)
2番乗り場に、試運転電車が参ります。危険ですから、黄色い線までお下がり下さい。
新石切駅 2番乗り場 試運転発車
(けいはんな線メロディ)
2番乗り場から、試運転電車が発車します。
表示はともかく、珍しいのが自動放送。こちらを聞いてもらうとおわかりかと思いますが「試運転電車が参ります…」という案内をしていますね。
ちなみに「試運転電車が…」というのは新石切・生駒・学研奈良登美ヶ丘の3駅だけのようで、その他の駅は「通過します」という案内でした。
通過放送は他の近鉄線と同じ4点チャイム・メロディが採用されていました。
(4点チャイム)
2番乗り場を、電車が通過します。危険ですから黄色い線までお下がり下さい。
(メロディ)
まとめ
けいはんな線で試運転電車に遭遇するチャンスがあったら、是非こういった放送や発車標の表示などにも目を向けてみて下さいね。
これまでの事例を見るに、主に学研奈良登美ヶ丘~新石切駅間で試運転電車は運行されているようです。