今年は、南海電鉄8300系+泉北高速鉄道9300系がグッドデザインを受賞しましたね。
この記事を書く際に、過去の受賞歴を調べていたところ……、
「スーパー・エレクトロニック・コミューター」
なる用語が目に飛び込んできました。
「何これ…?」と思っていたんですが……、
どうも近鉄けいはんな線(当時は東大阪線)7000系のことのようなのです。
気合の入った新車
スーパー・エレクトロニック・コミューター……訳すと「超電気通勤列車」といったところでしょうか
これまでの近鉄とは全く違う規格の新線向けに開発した7000系は相当な気合の入りようだったようで、当時の近鉄が発行していた技術文献にも
「次の世代の車両」を設計理念に、近年の進歩著しいパワー及びマイクロエレクトロニクスの技術を結集すると共に、デザイン、カラーリングについても新線にふさわしい斬新なものとし、ハイテクノロジーで合理的且つスマートな未来志向の通勤車両(Super Electronic Commuter)を目指し製作した
出典:近鉄技術研究所 1)
という風に書かれ、かなりの自信作であることが伺えます。
それを裏付けるようにローレル賞はもとより、これまで鉄道車両には贈られたことがなかったグッドデザイン賞までもを受賞しましたが、残念ながらこの愛称までは定着しなかったようです(長いしわかりづらい…)
鉄道ファンからは「7000系」や「HL(電算記号)」など、一般のお客さんからは「オレンジの中央線」と呼ばれがち。
同様の事例は、JR西日本の同年代車両221系(アメニティライナー)でも見られます。
7000系のデビューから20年後、今度は路線全体に「ゆめはんな」という愛称をつけようとしたのですが、またしても定着せず……
スーパーエレクトロニックコミューターのあれこれ
09編成が居ないわけ
スーパー・エレクトロニック・コミューターこと7000系は01~10編成までが登場していますが、実は09編成だけ飛び番になっていることをご存知でしたでしょうか。
つまり10編成(7110F)が居るものの、編成数は全9本となっているのです。
これは、VVVFインバーターのメーカーでナンバリングを分けていることが理由です。
・奇数編成(01・03・05・07)…三菱電機
・偶数編成(02・04・06・08・10)…日立製作所
つまり、三菱電機製が竣工すれば7109Fとなりますし、日立製作所製ならば7112Fとなって09は引き続き飛び番となります。
ちなみに元々は7108Fまででしたが、東大阪線(当時)が予想以上に好調だったことを受け、急遽7110Fが製造された経緯があります。
また、当該区間は鉄道事業法と軌道法の併用区間であることもあり、7101-05Fは軌道線、7106-10Fは鉄道線所属となっています。
広告でも最新
7000系は現代でも衰えないデザインの先進性がよく評価されがちですが、実は日本初のB1広告を採用した車両でもあります。
現在は余白である運転席後ろの運客仕切り板において窓と窓の間に大きく登場しました。この広告は大阪に本社を置く株式会社メディアートが手掛けた「エクセル・ボード」という広告。
掲出期間7日間、7000系8本x2の合計16枚が掲示され、お値段は1986年当時で19万2,000円でした。
関連リンク
参考文献
- 近鉄技術研究所「近畿日本鉄道技術研究所技報 16」『東大阪線の電気設備・新造車両の紹介』東大阪生駒電鉄 K.K、1985年3月