日本初の地下鉄エレベーター設置駅である、喜連瓜破駅を見てきました

日本初の地下鉄エレベーター設置駅である、喜連瓜破駅を見てきました

喜連瓜破 エレベーター

先日、様々な日本初が多い大阪市営地下鉄をご紹介しましたが、実はこんなところにも日本初がありました。

それは「日本初の地下鉄エレベーター設置」です。

 

日本初のエレベーターが設置されたその駅は、梅田やなんばなどの利用客の多い駅ではなく、意外にも谷町線の端っこの駅である…

 

喜連瓜破 エレベーター 閉じ込め

喜連瓜破駅でした

 

 

 

年季の入ったエレベーター

喜連瓜破 エレベーター

1980年に開業した喜連瓜破駅は、開業当初からバリアフリーにいち早く対応した駅でした。

DSC03503

昭和55年製のエレベータ……灯具類にかなり年季が入っています

DSC03504

中の操作盤。ボタンを押すと黄色の光が浮かびあがり、どことなくノスタルジー。

 

「MMC」製のエレベーター


喜連瓜破 エレベーター

こちらは駅構内のエレベーター。駅外のものとさほど変わりませんね

大阪市営地下鉄初のエレベーターだけに、動画としても収録してきました

DSC03538

ひとにやさしいまちづくり…その先駆けともいえる駅ですね

DSC03543

最初のエレベーターは三菱電機製

DSC03546

三菱自動車のことを「MMC」と昔は略しましたが、こちらも「MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION」の文字が

DSC03547

ボタン類がすごくレトロです。

DSC03548

ボタン類はこんな感じ。

DSC03549

この辺は現代のエレベーターとそう変わりありませんね

 

現在は油圧式エレベーターが登場し、あまり縦にスペースが取れない御堂筋線天王寺駅・難波駅1番線千日前線乗換え部などのような場所でもエレベーターを設置できるようになりました。

現在は地下鉄全駅に必ず1つはエレベータが設置されていますが、そのきっかけをつくったのが喜連瓜破駅だったのです。

 

ちなみに

1番目の駅は喜連瓜破駅(1980年)ですが、2番目の駅は長居駅(1981年11月・日立製作所製)、3番目の駅は北巽駅(1981年12月・日立製作所製)なのだそうです。北巽駅のものは近年リニューアル工事が行われ、現存していません。

当時の方針としては、身体障害者施設やバスターミナルとなる駅を優先的に設置していく方針であったようです。

 

 

市民団体の運動が原点だった

このエレベーター設置運動は、グラフィックデザイナーの牧口一二(いちじ)さん<2008年時点で71歳>が、1976年に結成された「誰でも乗れる地下鉄をつくる会」が発端になっています。

4年をかけて地道に活動を行い、大阪市交通局の幹部に車椅子へ試乗してもらうデモンストレーションもしたそうです。

牧口さんらの行動が、日本全国にエレベーターを設置するきっかけになったのですね。

 

 

今では当たり前になった地下鉄のエレベーター。

主要三都市ではどこでも見かける光景ですが、そのきっかけが大阪市営地下鉄であることに、うれしく思います。

 

-ご案内-

Osaka-Subway.comってどんなサイト?管理者は誰?(プロフィールページ)

他の大阪市営地下鉄の話題も調べてみませんか?こちらから!

tetsudocom_logo

文章中の写真の著作権は著作者に帰属します。無断転載は固くお断りします。

Photo,Writer : Series207  2015/08/03

 




書いた本



2号線:谷町線カテゴリの最新記事