大阪市バス長吉営業所。かつてあった大阪市南部に位置する、バスの車庫・営業所です。
2013年の事業再編による閉所から7年が経過するものの、未だ解体も活用もされずそのまま放置され、廃墟のようになっている…と、当サイトの相互リンク先さんである「エスラインナさん」が記事に上げられていました。
エスラインナさんに触発され、ちょうどこの辺りに用事があったついでに今の長吉営業所を見てきました。
現地のバス停から見る
長吉営業所の場所は、現在の「長吉長原東三丁目」バス停になります。出戸バスターミナルから出発している2号系統の終着地です。
この路線は、そもそも長吉車庫への入出庫路線で、朝夕のみやたらとバスが出発している路線でした。
現在のバスは、1時間あたり1~2本という典型的な閑散路線です。
…の割には随分立派なシェルターが作られていました。かつて車庫出区路線であった名残でしょうか。
営業所は廃墟に
さて、先程のバス停から少し先に行ったところに、今回の目的地である長吉営業所跡地がありました。
旧営業所全景。バスの転回用地として(元々入れたこともあり)開放されています。中に入ってみましょう…
「本日の発券業務は終了いたしました」の立て看板も、もう二度と回転することはないでしょう…
「大阪市交通局 自動車部 長吉営業所」の案内がある事務所入口。7年の時が経っても変わっておらず、そのまま時が止まっているかのようです。
営業所とは別に、集合住居のような建物が建っていました。
この宿舎?のような建物は、ハトの巣になっているようで、バザバサ飛び立つ姿も見られました。
2階以上が宿舎、1階部分にバスを留置しておいたのでしょうか。
それにしてもなかなかにひどい有様。台風の影響でしょうか、窓ガラスは割れ、扉も外された状態で放置されています。
敷地内も…
ガソリンや天然ガスの給油所でしょうか。往時のまま姿を留めています。
修理工場?やバスの洗車場も…。アスファルトの裂け目から草が生え、段々と自然に還っていってるかのような、そんな姿です。
ちなみに左奥に見える白い建物が、谷町線の八尾南駅です。
バスがやってきた
そうこうしているうちにあっという間に時間が経ち、いつのまにか1時間に1本だけのバスもやってきました。日野のポンチョという小柄なバスです。
かつて「長吉営業所」と掲げられていたであろう部分と。
たくさんのバスがいたこの地も、今やこうして1時間に1度小さなバスがやってくるのみ。
特に留まるでもなく、本当に一瞬で折り返していきました…。
かつての長吉車庫
「長吉営業所の写真ってなかったかな…」と思い過去データを調べていると、ちょうど閉所日である2013年3月31日のデータがありました!
どうもこの頃は(バスに興味がないながら)終わってしまう各路線をちゃんと撮りに行っていたみたいで、長吉車庫についても最後の写真だけが残されていました。えらい!私!(笑)
長吉車庫行きのバス。赤ランプを灯していることから、最終のバスですね。
出戸バスターミナルから最後の便となる長吉車庫行きが発車。これを見ると23時半出発とかなり遅い時間まで運行されていたようです。
そして、こちらが在りし日の長吉車庫。看板がありますね…!
そう、先程撮影したこの写真と同じアングルです。
「大阪市交通局 長吉営業所」の文字。
先程ご紹介した、現在は廃墟となりつつある建物の現役時代です。
同じ日をもって運行を終了した赤バス。オムニノーバ・マルチライダーという車種ですが、同じ車がずらりと並んでいます。
赤バスにはこの他、メルセデス・ベンツのものや日野ポンチョのタイプもありましたが、長吉営業所については廃止まで一貫してオムニノーバが置かれていたようですね。
総評
いかがでしたでしょうか。
大阪市バスの営業所や車庫跡地は様々な形で有効活用され、現在ではあまり原型を留める場所も少なくなっています。
例えば当サイトでも以前お伝えした「布施操車場」は分譲住宅になりましたし、「東深江操車場」は工場になっています。また同じ日に廃止となった「港営業所」は大阪シティバスの研修施設として使用されているようです。
ただこの長吉営業所は全く活用されておらず、かといっても売却もされていない完全な遊休地となっています。
今後もしばらく、こういった状態が続くのでしょうか。
関連リンク
【大阪市営バス】閉所からもうすぐ7年…廃墟と化した長吉営業所
http://sline-na.blog.jp/archives/39275597.html
アクセス
一応現在もバスが走っていますが、先述したように1時間に1~2本程度しか走っておらずアクセス性も悪く、正直谷町線八尾南駅から歩いていった方が近いレベルです。
訪問される際はこちらのルートをオススメします。