大阪一等地にも関わらず、かつて不法占拠やら外郭団体やらでゴチャつきまくっていた大阪駅前地下道。
1942年完成のこの通路は大きく老朽化が進んでいることも踏まえ、不法占拠者を立ち退かせて通路幅を広げる大きなリフレッシュ工事が進んでいます。
工事は2019年から着手。6年の期間をかけて2025年3月末に完成予定となっています。
こ、これがあの不法占拠やら外郭団体やらでごちゃつきまくってた阪神百貨店前の大阪駅地下道だとぉぉぉぉ pic.twitter.com/4EaixlOxXk
— Osaka-Subway.com/鉄道プレス (@OsakaSubwaycom) June 8, 2021
見違えるように
2021年6月頃から、綺麗になった通路が姿を現しはじめています。輝度も明るくなった他、道幅も大きく広がりました。
白く綺麗な壁面に数多く配置されたダウンライトが、都市っぽく洗練された空間になっています。まさに大阪の首都ともいえる梅田にふわさしい空間ですね。
かつての大阪駅前地下道。
左側には「ぶらり横丁」という飲み屋街がありましたが、2014年9月末をもって大阪市からの占用許可が終了。その後は不法占拠という形で残っていました。
そんな昭和の香りがした空間も、令和らしい公共空間へとリニューアルしました!
「人情がどうこう」やら「味がある」やら言いながら、いつまでも不法占拠を続けているのを「大阪らしい」と奨励する風潮に、住んでいる身としてはうんざりしているので、こういった施策は大歓迎です。
ギャラリー
北新地方面からJR大阪駅へ向かう途中のあたりです。右側には阪神百貨店が見えますね。かつてはここに金券ショップがありました。
先程の場所から西梅田方面を望む。ぶらり横丁があったのはちょうどこの左手あたりになります。
阪神百貨店出口。地下の玄関口がここまで綺麗に生まれ変わるとは…
ちなみに、工事はまだ継続中。阪神電車の西梅田方面出口はコンクリートむき出しの状態が続いています。これを見れるのも今だけかもしれません。
これまでの工事
【立ち退き関係】
・2013年5月 道路占用許可を終了する方針を発表
・(この間) 大多数の店舗は期限までにきちんと移転や閉店
・2014年9月末 道路占用許可終了。これ以後は不法占拠状態
・2015年6月8日 「松葉」など5店舗に撤去命令。店舗側は従わず
・2015年6月10日 不法占拠店舗に大阪市が行政代執行の方針を固める
・2015年6月15日 「松葉」以外の4店舗の強制撤去を一旦保留。直接契約と間接契約の違いによる
・2015年6月17日 「松葉」など5店舗、自主退去を発表
【工事関係】
・2015年度~2016年度:大阪駅前地下道東広場構造物の現状調査及び改修の概略検討を実施
・2017年度:概略設計を実施
・2018年度~2019年6月:詳細設計を実施
・2019年7月:工事着手
・2025年3月末:工事完成予定
※記事題名などで「不法占拠」と書きましたが、あくまで道路占用許可が切れた2014年9月末以降の話であり、それまでは大阪市からきちんと許可を取っていたことに留意する必要があります。
関連リンク
参考文献
大阪市「地下街などの防災対策(大阪駅前地下道東広場の防災・減災対策)」
陽は西から昇る! 関西のプロジェクト探訪『大阪駅前地下道改良事業 東広場の地下空間の大規模な改築とリニューアルを実施 2019年7月1日に着工!』
大阪Deep案内『大阪梅田「大阪駅前地下道」…立ち退き問題で揉める「串カツ松葉」と「ぶらり横丁」、在りし日の「アリバイ横丁」』