【速報】心斎橋・動物園前など5駅のデザインリニューアル案を発表

【速報】心斎橋・動物園前など5駅のデザインリニューアル案を発表

以前発表したOsaka Metro(以下、大阪メトロ)の駅リニューアル案について、心斎橋駅などに「悪趣味」との批判があがりTwitterのトレンド1位を獲得してしまったり、署名活動まで行われた件についてですが、

本日御堂筋線の心斎橋駅・中津駅・梅田駅・動物園前駅中央線堺筋本町駅の5駅についてブラッシュアップされた修正が行われ、デザインを決定したと発表がありました。

 

先日7月に、大阪メトロのチーフデザインオフィサー(CDO)に、秋田新幹線E6系やエンツォ・フェラーリなどをデザインした奥山 清行氏を起用し、その助言も受けながらのブラッシュアップとなったようです。

Osaka Metroは、去る2018年12月20日に、地下空間の大規模改革としてリニューアルデザイン案を発表した15駅のうち、御堂筋線中津駅、梅田駅、心斎橋駅、動物園前駅、中央線堺筋本町駅の5駅のリニューアルデザインを決定しました。
昨年の発表以降、お客さまや地域の皆様をはじめ様々な方々からのご意見を踏まえ、多様性を大事にし、「各駅の地域性や歴史性を活かす」という当初から目指している方向性をより深掘りし、Osaka Metroの想い・意図が皆様にしっかりと伝わるよう、そして、より多くの方々にご納得いただけるよう奥山CDOの監修のもとデザインコンセプトやデザインをブラッシュアップしました。

出典:https://subway.osakametro.co.jp/news/news/other/20190829_5ekidesign.php?_ga=2.40296226.1658291759.1566974790-957367094.1522761423

 

大阪メトロの路線のうち、御堂筋線9駅と中央線6駅については駅舎のリニューアル工事を200億円投資して行う事を発表しています。

出典:http://www.osakametro.co.jp/library/ct/20180709_cyuki_keieikeikaku/2018_2024_ckk.pdf

 

今回発表された5駅について、前回との比較も交えながら詳しくみていきましょう。

 

心斎橋:“ The OSAKA Brand ”

出典:「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました

前回の発表で批判の矢面になった心斎橋駅ですが、悪趣味と批判されたテキスタイルの屋根が打って変わって、上質感溢れる重厚な雰囲気に。どことなく大正レトロ調なのも良いですね。

ただ、シャンデリアは現行のものがそのまま残ることとなったようで、ちょっと複雑です(後述)。

 

こちらが前回の心斎橋駅構想。 ……まぁこれはボロカス言われても…(白目)

 

心斎橋駅は現在、2021年のリニューアル完了を目指して長い工事期間に入っています。

心斎橋駅のシャンデリアは特に開業当時のものというわけでもなく、時代にあわせて新しい意匠のものへと進化してきているのですが、今回のリニューアルでは特にシャンデリア時代のリニューアルは行われないんでしょうか…

 

昨年発表時は海外のファッションブランドが立ち並ぶ地域にあることから、おしゃれの発信地ということで「テキスタイル」をデザインコンセプトにし、天井がテキスタイルに覆われるイメージとしていました。
ブラッシュアップにおいては、多くのブランドショップが並ぶ地域との連続性を深め、大阪を代表する高級店が並ぶ現代の心斎橋を象徴する高級感と上質感を感じていただける空間を目指し、そのデザインコンセプトを「ジ・オオサカ・ブランド」としました。
空間全体として開業当時の意匠を活かし、シャンデリアはもとの佇まいを活かしながら最新の技術で復元することで長い歴史を感じていただける空間としています。

出典:大阪市高速電気軌道株式会社「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました」

【2019.8】工事開始から1年!御堂筋線心斎橋駅グランドリニューアルの状況

 

 

中津:「インキュベーター発信源」 “ Incubator Central ”

出典:「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました

現在リニューアル工事が進められている中津駅。この5駅では最も早い2019年度中にリニューアル完了としています。

現在の”生”中津駅はこんな感じ。ほぼプレスリリース通り工事が進んでいますね。あとは柱部分の黒塗装化のみでしょうか…

駅名標の工事がないなぁと思っていましたが、どうもこの光る部分に取り付ける様ですね。

昨年発表時は「プレゼンテーション」をデザインコンセプトとしていました。

今回はスタートアップ企業以外にも大学や専門学校による新しい取組みなどをプレゼンテーションできる場所として「Incubator Central」をコンセプトに、機能的にもブラッシュアップを行いました。

出典:大阪市高速電気軌道株式会社「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました」

 

出典:Osaka Metro公式Youtubeチャンネル

前回発表時のイメージ。

……広告以外、何か変わりました?

 

 

【御堂筋線】工事開始から2年!中津駅グランドリニューアルの状況

 

梅田:「大阪から世界へ」 “ From OSAKA to the World ”

出典:「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました

既にリニューアルが完了し、現在液晶パネルの取り付け工事が行われている梅田駅。

出典:Osaka Metro『地下空間の大規模改革及び 夢洲開発への参画について』2018年12月20日

前回発表時は電脳的な世界観が中二病心をワクワクさせる駅構想でしたが……

……なんというか、至って普通の駅になっちゃいましたね。

 

昨年発表時は、大阪のみならず世界の情報があつまる「インフォメーションターミナル」をデザインコンセプトとしていました。

ブラッシュアップにおいてはそのデザインコンセプトを「大阪の情報を世界に発信する」と捉えなおし、日本最大級のパノラマビジョンが最も活かせるような空間としています。

具体的には、照明器具と新たに設置する可動式ホーム柵のステンレスをアクセントとした白く明るく伸びやかな大空間とし、パノラマビジョンと柱サイネージを合わせた新時代のデジタル広告の大きな舞台として、大阪から世界へ発信するOsaka Metroのフラッグシップ駅にしていきたいと考えております。

出典:大阪市高速電気軌道株式会社「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました」

 

現在の梅田駅(工事前)。駅ホーム自体は、2014年頃一足先にリニューアル工事がなされています。

 

動物園前:「まるで自然の中にいるかのような空間」

出典:「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました

今回新たに発表された動物園前駅については、鯉江良二氏が手がけられた動物園前駅のアイデンティティである動物の絵を残しつつ、優しく光が差し込むような空間としてブラッシュアップするようです。これはいいデザイン案かも。

ちなみに動物園前駅のフルリニューアルは、1969年4月ぶりなので約50年ぶりになります。現在使用されている動物柄タイルは2代目です。

未だ着工されていないのでもう少し伸びるかも…

動物園前については、昨年実施した公募プロポーザルで選定された中西・貴志・京設計共同体がデザインを担当し、CDOによるアドバイスも受けながらブラッシュアップしました。

昭和44年に描かれて以降長く親しまれてきた動物タイルを保存・活用し、地下空間でありながらも、まるで自然の中にいるかのようなワクワク感のある楽しくて明るい駅にしていきたいと考えています。

既存のタイルに描かれた動物や先端技術によって映し出される動く動物、木漏れ日のような照明、本物の植物による植栽などによって自然の雰囲気を表現します。

出典:大阪市高速電気軌道株式会社「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました」

 

 

堺筋本町駅:「船場文化」 “ The SEMBA Culture ”

出典:「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました

今回のブラッシュアップ案で、唯一の中央線駅である堺筋本町駅。木目とステンレス鋼を交えたデザインです。

こちらもおそらく、開業以来初めての駅リニューアルになるものと思われます。

 

 昨年発表時は、当駅が船場地域に位置していることから、「船場町人文化」をデザインコンセプトに町屋の雰囲気や「船場言葉」をあしらうことで在りし日の船場を感じていただくイメージとしていました。
ブラッシュアップにおいては、デザインコンセプトを「船場文化」としました。船場の文化・交通・物流の交わりを格子で表現しています。
手仕事感が残る木調パネルと先進素材でありながら暖かみのあるチタン素材によるモダンさと匠の交わりを表しています。
新たに設置する可動式ホーム柵のステンレスなどの異素材と調和させ、歴史をベースに未来へと飛躍する船場を力強く表します。

出典:大阪市高速電気軌道株式会社「駅デザイン案をブラッシュアップ 5駅のリニューアルデザインを決定しました」

 

 

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