ニュートラムは何故、軌道法と鉄道事業法がカオスに入れ替わるのか

ニュートラムは何故、軌道法と鉄道事業法がカオスに入れ替わるのか

大阪南港を走るニュートラムですが、実は軌道法と鉄道事業法がカオスに混在する路線でもあります。

・トレードセンター前~コスモスクエア:鉄道事業法
・中ふ頭~トレードセンター前:軌道法
・フェリーターミナル~中ふ頭:鉄道事業法
・住之江公園~フェリーターミナル:軌道法

と、区間によってめまぐるしく入れ替わっています。

これはなぜでしょうか。

 

 

 

住之江公園~フェリーターミナル

ニュートラム 200-06F 紫

この区間は、軌道法が適用されています。大阪メトロは路線の9割が軌道法を根拠に作られており、軌道法での建設はむしろ自然な流れです。

軌道法で作られるのは、道路とセットで鉄道を作ることで道路財源を鉄道に流用できることが理由にあります。

例えば高架の支柱は「道路扱い」として、潤沢な道路予算からお金を引っ張り出せます。

 

住之江公園~フェリーターミナルまでは住之江通などの道路が並走しており、この整備予算と同時に作られたものと思われます。

 

 

フェリーターミナル~中ふ頭

インテックス大阪

フェリーターミナル~ポートタウン西間の途中からは、並走する道路が外れて鉄道事業法の区間となります。

これは、港湾整備事業における「臨港鉄道」という概念で作られたことによるものです。

臨港鉄道は、港湾で働く人のための足や、港へ行く人の交通機関としての役割が期待される公共性が高い鉄道路線です。

 

それ故に1977年、運輸省が臨港鉄道に対しての補助制度を新設。

港湾法で、特定重要港湾(現在の国際拠点港湾制度、大阪港はここに該当)と重要港湾に対して50%以内、地方港湾に対して40%以内で、国が補助金を出せる事になっています。

 

 

つまり、先程は道路予算からお金をもらっていましたが、今度は港湾整備予算からお金を半分出してもらう形になります。

この補助制度を用いると自動的に鉄道事業法によって整備されることから、道路に線路を敷く軌道法ではなく、あくまで鉄道線路の鉄道事業法という扱いで建設されることになりました。

 

 

 

中ふ頭~トレードセンター前

この区間はまた軌道法に戻ります。先程と同様に、大きな道路と同時に建設されたことが理由であると思われます。

トレードセンター前駅には、鉄道事業法と軌道法の分岐点となる標識があります。

 

ちなみに、道路の一部とされたものは「軌道」として扱われます。これは道路に路面電車を敷くという考え方に置き換えるとわかりやすいかと思います。

 

 

 

トレードセンター前~コスモスクエア

最後のこの区間は鉄道事業法

ここは港湾法の補助の兼ね合いもありますが、「公共交通でなく利益誘導路線だ」という観点から軌道法が採択できなかったようです。

 

 

車両も

ちなみに、かつてニュートラムを走っていた100A系についても、車両の認可区分が軌道法・鉄道事業法で分けられています。

例えば…

 

100A系の28編成は軌道法によって導入された車両です。

 

 

DSC06790

一方、100A系29編成は鉄道事業法によって整備されました。

ナンバーが1つ異なるだけで鉄道事業法・軌道法がごろごろ入れ替わるのもユニークですね。

 

 

変わったところでは100A系31編成のような、新車投入時には鉄道事業法だったのに、ある日突然軌道法へと変更されたなんてケースも。

どういうことなの……。

 

 

 

関連リンク

【今日の記念日】12月18日:OTS(現:ニュートラム) 中ふ頭~コスモスクエア間開業

 

 

参考文献

波床正敏、塚本直幸(共に大阪産業大学 博士)『中量型鉄軌道への支援制度が路線整備に与えた影響に関する考察

なにわの地下鉄「車両>100A系

 

 



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