今年3月に三菱UFJ銀行のサポートで導入された、大阪シティバスの水素バス(燃料電池バス)「SORA」。
水素と酸素の化学反応で作られた電気で走るので二酸化炭素を生み出さず、また非常にには移動式電源としても活用できる未来のバスです。
平日は朝ラッシュ時の南港(17号系統)で、土曜日は大阪市内を東西に縦断する3号系統で運用についています。
17号系統
ポートタウン東駅~コスモスクエア間
3号系統
住之江公園~地下鉄西田辺~出戸バスターミナル間
ちなみに、日曜日は水素ステーションが休みのため運休だそうです。
そんな近未来的な「SORA」に、早速乗ってきました。
(情報提供:5027様)
エクステリア
運用前に待機中のSORA。他のバスと並ぶとその特異さが際立ちますね。
車体の番号は「32-9001」となります。
SORAの屋根周りはこんな感じ。後ろに積まれているのは燃料電池(FC)システムモジュールで、側面に排熱用のラジエーターがセットされています。
また、ファンのようなものが2台見えますね。
前面形状の様子。ウィンカーはLEDが用いられ、ヘッドライト周りをスモールライトが覆ってシャープな印象です。
大阪シティバスのロゴと共に、「フューエルセルバス」の標示も未来的で誇らしいですね。
地下鉄玉出に到着する燃料電池バス。なんてことのない街中でも目立ちますね。
車体はかなり大型で、全長は10,525mm(10.5m)にもなります。
車内の様子
車内を見てみましょう。液晶モニタは2ヶ所に設置されていますが、これはSORAの標準装備のようです
液晶周りには監視カメラも設置。
降車ボタンはこれまでと同じですが、車椅子用の部分は青色になるなど少し変化も見られます。
運転台にはバックモニタ、および乗降部と車内の様子がわかる3つのモニタを搭載しています。
実際に乗車して気になったポイント
①新車の匂い
当然ですが、新車の匂いがムンムンしていました。
②加速がすごい
燃料電池バスSORA、加速力がスゴいです。
普通のバスよりも実にスムーズに加速し、あっという間に最高速度に到達します。
CVTなのか揺れも少なく、現代版無音バスといった感じです。
③みんなの注目の的
近未来的なフォルムにこれまでの大阪シティバスとは違う赤色のカラーは、バスに詳しくない人でもひと目で「なにか違うバス」「新車」というのがわかるらしく、女子高生からおばあちゃんまで注目の的でした。
④折りたたみ椅子
上の画像右側には折りたたみ椅子が設置されているのですが、大阪シティバスとしては初めてのこの装備に慣れない方も多く見られました。
SORAの運行ダイヤ
デビューから2週間の運行ダイヤから鑑みるに、固定ダイヤでの運用のようです。
【平日】
17号系統
コスモスクエア⇔ポートタウン東を4往復
【土曜日】
3号系統
地下鉄住之江公園 11:01発→出戸バスターミナル11:57
出戸バスターミナル12:08発→地下鉄住之江公園13:04
【日曜日】
運休
「SORA」の仕様
車両 | 車名 | SORA |
---|---|---|
全長/全幅/全高 | 10,525/2,490/3,350 mm | |
定員(座席+立席+乗務員) | 79(22+56+1)人 | |
FCスタック | 名称(種類) | トヨタFCスタック(固体高分子形) |
最高出力 | 114kW×2(155PS×2) | |
モーター | 種類 | 交流同期電動機 |
最高出力 | 113kW×2(154PS×2) | |
最大トルク | 335N・m×2(34.2kgf・m×2) | |
高圧水素タンク | 本数(公称使用圧力) | 10本(70MPa) |
タンク内容積 | 600L | |
駆動用バッテリー | 種類 | ニッケル水素 |
外部電源供給システム | 最高出力/供給電力量 | 9kW/235kWh |
価格 | 正味価格/補助金導入後 | 1億円/2000万円 |
関連リンク
参考文献
大阪日日新聞「CO2削減、静かで快適 大阪シティバスが燃料電池バス導入」
トヨタ自動車「SORAレスキュー時の取扱い」