2021年5月26日、Osaka Metroを運営する大阪市高速電気軌道株式会社は、2021年決算(2021年4月1日~2022年3月31日の営業成績)を発表しました。
コロナウィルスの関係で昨年は赤字に陥りましたが、今年は49億円の黒字決算へと回復しています。
前年度との比較
売上高 | 営業利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|
2021年度 | 1401億円 | 39億円の黒字 | 49億円の黒字 |
2020年度 | 1338億円 | 88億円の赤字 |
43億円の赤字 |
※営業利益…営業によってもたらされた金額
純利益…税金を支払ったり補助金額を足しての金額
営業利益、純利益共に黒字転換です。
売上高はあまり変わりがありませんが、自動改札機や券売機の休止などで営業費用が減少したことで収益が黒字化しました。
地下鉄以外はまだ育成中
セグメント(部門別)の収益を見てみましょう。
・鉄道事業 32億円の黒字
・バス事業 5億円の赤字
・広告事業 5億円の黒字
・流通事業 1億円の赤字
・都市開発事業 6億円の黒字
Osaka Metroの収益構造は、基本的に地下鉄頼みの1本のみ。
今年は32億円の黒字で着地していますが、コロナ前の2019年度は298億円の黒字があったことを考えるとまだまだそれには及びません。
不動産や広告、流通業なども始めていますが、まだ地下鉄の穴を埋めるまでには至っていません。
企業設立からまだ3年で育っておらず、大阪メトロ側もこの実情を認めて収益の柱となるように努めているようです。
Osaka Metro(大阪市高速電気軌道株式会社)の代表的な事業
・【鉄道事業】…地下鉄などの運営(直轄)。いまざとライナーはこちらに所属
・【バス事業】…バスの運営(子会社の大阪シティバス株式会社)
・【広告事業】…直轄運営。デジタルサイネージシステムなど。Umeda Visionなどを担当
・【リテール事業】…地下街の運営(子会社の大阪地下街株式会社)
・【都市開発事業】…不動産関係の運営(直轄)
マンション事業「Metrosa」や商業ビル「MTビル」の運営など
その他、光ファイバー設置空間の開放・公共活動支援などがあります。
在阪私鉄との比較
最後に、在阪私鉄4社とを比較。
規模は他4私鉄の中で最も小さいですが、純利益は近鉄GHDを超える数字を出しています(というより近鉄が悪すぎたのですが…)
2022年度の決算では売上高1660億円、営業利益137億円(内地下鉄事業119億円)、純利益110億円を想定していますが…果たしてどうなりますでしょうか。
関連リンク
参考文献
大阪市高速電気軌道株式会社「Osaka Metro Group 2022年度 事業計画」
大阪市高速電気軌道株式会社「Osaka Metro Group 2021年度(2022年3月期)決算」