現在、北区中之島と西区川口とを結ぶ端建蔵橋の架替工事が始まっています。新しい橋はアーチ状になる予定で、2025年3月31日までを工期として現在工事が進んでいます。
その工事さなか、なんと大阪市電(路面電車)らしき線路が発見されたとの情報があり急遽見に行ってきました。
端建蔵橋について
江戸時代、ここには各藩から集まった蔵屋敷が立ち並んでいました。中之島の最西端部にあたるここには端に建った蔵ということで「端建蔵」という地名が生まれます。
その端建蔵近くに橋ができたということで、現在の端建蔵橋という名前になったそうです。
明治41年頃、初代の橋が開通。1909年には大阪市電を通すために新しい鋼製の橋(2代目)へと架替。
そして、1921年に現在使用していた3代目の橋へと架替られました。
それから100年が経過した2022年より、4代目となる新しい橋への架替がスタートしています。
現地の様子
早速現地の様子を見てきました。線路が見つかったのは橋の北西側で、阪神高速の中之島西入口が最寄りとなります。
うろうろと探してみたのですが…ありましたありました!!
おおお…!!! 確かに、橋の真ん中にあるのは線路ですね!
標準軌とおぼしきレールゲージですし、まず大阪市電の線路と見て間違いないでしょう。
複線の線路が、こんなところから出土してくるとは思いませんでした。
それにしても、市電廃止時には線路を撤去せずそのまま埋めてしまっていたのですねぇ…。工期的な観点からそうしたのでしょうか
どの市電が走っていた?
で、端建蔵橋の上をどの電車が通っていたのか…ですが、調べてみるとここは大阪市電の3期線である九条中之島線が走っていた場所です。
系統番号でいうと、
・20系統 野田阪神前~川口町~大正橋~南恩賀島町~鶴町車庫前
・21系統 野田阪神前~川口町~境川町~朝潮橋~大阪港~三条通四丁目
・28系統 野田阪神前~川口町~大正橋~三軒家~新千歳町
がこの橋を経由していたことになります。
関連リンク
参考文献
大阪市「端建蔵橋(はたてくらばし)」
関西道路研究会「大阪市電事業の橋梁図面調査の概要、成果、課題」、松村 博