当然ながら、電車に乗車する際の段差ってありますよね。
1991年登場の21系(上の写真)だと、5~10cmほどは段差があります。
乗り入れ先の北大阪急行(8000形)も、21系と同じく5~10cm程度の段差があります。
まぁこれぐらいの段差って電車では普通のことで、全国におけるだいたいの地下鉄はこの程度の段差があると思います。
列車とホームとの段差は主にホーム側の嵩上げ工事で縮小出来ますが、乗客の重さで列車にかかる重量負荷を考えると若干の遊びが必要なので、この程度の段差はどうしても出来てしまっていました。
しかーし
が、しかーーーーし!!!!
最新鋭の30000系では段差が!!!段差がゼロになっています!!!
見事なまでのツライチぶりをご覧下さい!!
段差だけでなく、ホーム先端から伸びる櫛状のゴム(黄色い部分)が最後の一隙間を完全に埋めてしまっています。
ホームと電車、2つの最新機構のタッグでスマートな乗り場が出来上がりました。
ん~気持ち良いほどにピタッと止まっていますね。
足元を注視しなくても乗れちゃいそうですし、車椅子やベビーカーでの走行も全然苦じゃなさそうです。
特に、これまで車椅子利用者は駅員さんが同伴して乗降車時に渡し板をかけていましたが、最近はそういったシーンも見られなくなりました。
また、隙間についてもご覧の通り!
全く転落巣する余地が発生しないほどの狭さ(5cmぐらい?)になっています!
大阪メトロ沿線民な私はこれが普通なので何も思っていなかったのですが、大阪メトロ沿線外民にとっては非常に革新的なことらしく、感動するツイートが散見されます。
バリアフリー最先端な大阪メトロ
ホーム隙間を埋めるこのゴムは、大阪市交通局時代に開発されたもの。
2009年頃から検討を開始し、2010年に長堀鶴見緑地線のホームドア設置と同時にスタートしました。
2018年1月には国土交通省から「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を受賞しています。
大阪市交通局は40年前からバリアフリー対策に積極的・先進的で、1980年に日本の地下鉄では初めてとなるエレベーターを谷町線喜連瓜破駅へ設置。
1981年に開業したニュートラムでは、路線単位で既に小段差・小隙間を実現していました。
この他、サン工芸と共同で2003年に「乗車位置標示板」を開発。全国の鉄道へ普及しています。
ゼロ段差路線はどこ?
2023年1月時点では、以下の路線に導入されています。
・御堂筋線(全駅)
・谷町線 東梅田駅
・四つ橋線 西梅田駅、大国町駅
・千日前線(全駅)
・堺筋線(数駅、今年中に全駅設置予定)
・長堀鶴見緑地線(全駅)
・今里筋線(開業時より全駅)
・ニュートラム(開業時より全駅)
唯一未設置である中央線については、万博の前である2024年度から工事に着手。
現在投入されている30000A系や400系の恩恵も受けつつ、この最強バリアフリー設備が整備される予定です。
全線への設置は2026年3月を目標としています。
段差解消のため車両置換構想も
驚くべきことに、この10cmの段差解消目的(と経年劣化対策)のため、2026年から21系の置き換え構想が出てきています。
車両自体の劣化対策もあるとは思いますが、やるな大阪メトロ…!!!
関連リンク
参考文献
[YouTube] Osaka Metro公式チャンネル『「Metro News」vol.88 誰もが乗りやすい地下鉄に!電車とホームの段差・隙間解消』