Osaka Metroは、夢洲への加算運賃の上限設定について国土交通省へ申請しました。
加算運賃額は合計100円で、これらがフル適用された場合の梅田・難波・天王寺からの運賃は430円となります。
現在はまだ上限額申請の段階なので、これらが適用されるかは不明です。
例えば100円で申請しても、今回は60円だけ加算運賃を適用するとか、そういったケースもありえます。
加算運賃の計算
※コスモスクエア~夢洲間は3.2kmです。
通常運賃 | 加算後の運賃 | |
2区(3km~7km) 例:大阪港~夢洲[5.6km] |
230円 | 330円 |
3区(7km~13km) 例:弁天町~夢洲間[8.7km] |
280円 | 380円 |
4区(13km~19km) 例:梅田~夢洲間[14.8km] |
330円 | 430円 |
5区(19km超え) 例:長田~夢洲間[20.1km] |
380円 | 480円 |
設備投資費用の回収に
100円の内訳は以下の通り。
・設備投資費用の回収:90円
・鉄道バリアフリー料金:10円
新線が開業するとその投資費用を回収する目的で、おおよそ50年近くにわたって加算運賃設定がなされることが多いのですが、夢洲~コスモスクエア間についても同様の措置が取られるようです。
例えば京阪の三条~出町柳間(鴨東線)は、1989年の開業から35年が経過していますが、今でも加算運賃として60円が上乗せされています。
この投資費用460億円のうち、現在247億円が回収済みとなっていますが、まだまだ全額回収には至っていません(回収率は36.7%)。
また今年開業予定の北大阪急行 箕面萱野駅へも加算運賃60円が設定されるなど、比較的身近な存在です。
OTSの二の舞い…?
ただ、南港地区だけ費用が高いというのは、過去に大阪港トランスポートシステムが大阪港~コスモスクエア間で鉄道を運行していた時代を彷彿させます。
この時は別事業者ということもあり、加算運賃は230円とかなりの割高でした。
大阪港~コスモスクエアの運賃が230円別口で追加になるので、梅田~大阪港で270円+230円で片道500円近くの値段になっていました。
この兼ね合いで客足が遠のいたことによりコスモスクエア周辺が活性化せず、同地に建てられたATC・WTCにも大きく悪影響が出たこどは(大阪在住者には)記憶に新しいところです。
出町柳や箕面萱野は元々在住者がいることや、利便性が大きく向上するなどメリットが多大なので加算運賃の影響は小さそうですが、夢洲は殆ど人がいない場所なのでそのあたりが少し心配になりますね。
かつての1970万博で北大阪急行がやったように、万博中に投資費用を回収する算段なのでしょうか。
関連リンク
参考文献
Osaka Metro「Osaka Metro 中央線延伸部(コスモスクエア駅から夢洲駅間)の加算運賃の上限設定について認可を申請しました」
京阪電気鉄道「加算運賃について」
北大阪急行「北大阪急行電鉄南北線延伸線の運賃認可について」