大阪市営地下鉄のサインシステム・駅名標のフォント

大阪市営地下鉄のサインシステム・駅名標のフォント

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他の公共交通機関と同じく、大阪市営地下鉄でもサインシステムと呼ばれる、システマチックな案内標識を採用しています。

サインシステムはあらかじめルール化されて決められたフォント・決められたカラーリングなどに則って表記されるため規則性があります。

ましてや、その鉄道会社の印象付けをも利用者に行い、ある意味顔とも言えるべき存在です。

 

民営化前の状況

民営化前である2014年6月時点での、大阪市営地下鉄のサインシステムは

日本語:見出しゴMB31(モリサワ社)

英語:Helvetica

(http://matome.naver.jp/odai/2133883151920255301)より

が採用されています。

 

元々、大阪市営地下鉄の現行のサインシステムが最初に採用されたのは、昭和52年の本町駅。

なぜ本町駅から始められたのかを紐解くと、このような記述がありました。

3線が交差する御堂筋線本町駅となんば駅については、地上への出入り口もそれぞれ27ヶ所、29ヶ所と多く、乗客の乗車系・降車系とも複雑に錯そうしているので、まず本町駅から案内表示のトータル・サイン・システムを採用することとし、専門のデザイナーに設計を委嘱して、分りやすい案内標識を整備した。

出典:「大阪市交通局百年史 406pより」―大阪市交通局 著

それまでは「ヒゲ文字」と呼ばれる、大阪市営地下鉄独自のオリジナル書体が採用されていました。

 

ここでは、そんな大阪市営地下鉄のサインシステムの歴史について、たどっていきます。

意外とサインシステムの紹介をするサイトが少なく、ましてや大阪市営地下鉄に限るとほんの僅かのみでした。

ここの情報が、後世に役立てばと思い記述していきます。

 

 

プロトタイプ(昭和52年)

日本語:ゴシック4550
英字:Helvetica

(2015年にリニューアルされ現存しません)

最も初期に作られたサインシステム。

隣駅案内にローマ字がふられておらず、また日本語のひらがなの文字も微妙に異なります。

この本町駅を皮切りに、続いてなんば駅でこのサインシステムを採用。そのまま谷町線都島-守口間でも採用されていった…、と文献に記載があります。

 

量産期(昭和53年~平成24年、英字が入るのは平成元年から)

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日本語:見出しゴMB31
英字:Helvetica

1箇所だけ更新された、四つ橋線の駅名標。

これも隣駅案内にローマ字がふられていませんが、日本語フォントは現行の「見出しゴMB31」になっています。

フォントはこちらが定着し、このスタイルで各駅に広まっていきました。

 

 

マイナーチェンジ版(平成25年~27年)

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日本語:見出しゴMB31
英字:Helvetica

2013年に御堂筋線本町駅の内装がリニューアルされ、それと同時に駅名標も一新されました。

日本語フォントは見出しゴMB31、英字にHelveticaを採用。

隣駅案内にローマ字がふられている「見出しゴMB31+ヘルベチカスタイル」の完成形です。

 

 

新サインシステム(平成28年~)

DSC02413

日本語:ヒラギノ角ゴ
英字:Parisign

2015年に初登場した、新時代の大阪市営地下鉄サインシステムです。

日本語フォントはヒラギノ角ゴ、英字にParisign(パリジーン)を採用。日本の鉄道事業者において、Parisineを採用しているのは恐らく大阪市営地下鉄が初めてです。

右上には初めて路線名が入れられ、視認性も向上しています。

参考

DSC02413

 

大阪市営地下鉄のサインシステム解説シリーズ

 

記事元ソース:旧ブログ α207より
http://d.hatena.ne.jp/series207/20140427/1398604483




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