大阪ビジネスパーク駅は、1997年にIMPビルの開業とほぼ同時期にオープンしました。
世界初の3連マルチシールドを採用した駅としても有名で、以前「大阪市営地下鉄の中で一番深い駅」としてご紹介しましたが、
実はこの大阪ビジネスパーク駅には、なんと幻のホームがあるのだそうです。
当駅直上にある松下IMPビルの地下部分には、建設時に将来の駅舎設置を見越してホームの一部となる構造物(1面2線)が造られている。しかし、その後当駅のホームがビル本体の直下に建設されたため、この部分は駅舎として使用されず、幻のホームとなっている。なお、新たにホームが造られた理由は、当駅付近を流れる河川や橋梁の地下へトンネルを建設する際に、シールド工法で掘削するための深度が必要になったものと思われる。
ということで、調べてみました。
書籍にそれが載っている?
ネットで色々検索かけること5分。
相互リンク先である未確認鉄道研究室内にある「御堂筋線掲示板」内にて、気になる一文を発見。
「トンネルと地下」という月刊雑誌に掲載されていました。1992、3年頃のバックナンバーです。
私が例の隠しホームに入ったのは1991年3月と記憶しています。ホーム建設の経緯については、その時立ち会って下さった松下系企業の方から伺いました。その前後の時期に、大阪市が現ルートと府庁経由のルートの2通りを検討し、現ルートが決定された際に府庁へは将来的に別路線を乗り入れさせるといったことを新聞などで知った記憶がありますが──詳しい方のレスをお願いします。
また、この投稿に続いてこんな投稿も。
建築系の雑誌にはIMPビルの図面からは、その隠しトンネル部は確認できませんでたが、土木学会の雑誌には断面図に掲載されていました。
コンコース階の直下に既存建築という形で掲載されており。丁度ビル部の地下1階の下にコンコース部が
ありその下にその部分がありコンコース階より高さがあり車両が入れそうな構造です。結局その部分が使われなかったわけですが、何が支障したのでしょうかね。
どうやら「トンネルと地下」という土木系の業界紙にそれが掲載されているとのこと。早速図書館に足を運んで調べてみました。
書籍「トンネルと地下」に記載されていた!
「トンネルと地下」は、土木工学社というトンネル建設に携わる業者さんが出している、なかなかマニアックな業界紙のこと。バックナンバーを見ると1970年から発行しているらしく、かなり由緒正しい業界紙のようです笑
そんな「トンネルと地下」の 「Vol.24 1993年12月号」を見ていると、どうやら何かあるらしきことを発見。書庫の奥からわざわざ出してきてもらって閲覧してみると、
IMPビルの地下に何やら「既設構築」という部分が見つかりました。
書籍部分で北側立抗と描かれた部分と見られる出入り口。エスカレーター部分になっています
詳細な地形図はこんな感じ。
実際に行ってみると…?
ということで実際に行ってみました!森ノ宮方向側にあるエレベーターを目指します…
エレベーター……ん?
なんと謎のB2階があります。これが既設構築への抜け道か…?
ちなみに、押しても光りませんでした
B2階に見えたもの
押しても光らなかったB2階ですが、そこには……!!
!?
何 か あ る
ピンボケして見えなかったので、もう一度…
こ、これは…!!
先ほどの図でいう「北側接続部」、要は幻のホームへ入る入り口であると思われます。
ここの存在は知っていましたが、今回のように照明で照らされハッキリとその姿を見たのは初めてでした。
(1年後)追記
日本経済新聞社が当サイト内の記事を見てなのか、この記事の投稿から1年後に地下へ実際に潜り、幻のホームの写真を掲載していますので、是非こちらも御覧ください
まとめ
ここまではわかったんですが、残念ながら中に立ち入ることは(当然ながら)出来ませんでした。
この後、近接するIMPビルの地下駐車場にも行ってみましたが、立ち入れる範囲では特に何もなく、これ以上はわかりませんでした。
結論として、当初は長堀鶴見緑地線の駅ホームとしての空間として建設したものの、結果的に長堀鶴見緑地線は全く違うルートとなったことから、仕方なしに何か別の空間として活用している、というのが結論のようです。
大阪ビジネスパーク駅主催で、この「既設構築」を見学出来るツアーみたいなものが出来ればいいですね。笑
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Photo,Writer : Series207 2015/10/15