【コラム】野田の奇妙な構造

【コラム】野田の奇妙な構造

 

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

 

「千日前線の野田阪神駅に来たら 終着駅なのに相対式ホームで しかも2番線は死んでいた」

 

な… 何を言っているのか わからねーと思うが、おれも 何をされたのか わからなかった…頭がどうにかなりそうだった…

廃駅だとか幻のホームだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…

 

 

先日に引き続き、野田阪神駅のお話。

 

前回、ある意味奇妙な名前な野田”阪神”の理由についてご紹介しましたが、野田阪神駅はその構造も特殊で、終端駅にも関わらず相対式ホームとなっており、しかも2つあるホームのうちの一つ(2番線)は殆ど使われていないという、これまた奇妙なことになっています。

 

あちら側に見えるのが野田阪神の殆ど使われていないホームである2番線。朝ラッシュ・夕ラッシュと、一日10本程度の電車が到着のみを行い、発車はしない奇妙なホームです。

これらのことから、柱に書かれている「野田阪神」の文字は、かつて使用されていた「ひげ文字」と呼ばれる駅名標が、未だに現役バリバリで使用されています。

 

基本的に大阪市営地下鉄の駅は、終端駅を島式ホームとして作る前提で建設されるのですが、何故かこの駅だけはその例に漏れてしまっています。

 

ホーム別メリット・デメリット

終着駅が島式だと、例えば乗客が乗車する際にどちらのホームに行かないといけないのかを迷わなくて済みますし、現在だとエレベータや階段など施設を建設する手間が1つで良くなるなど、メリットが多数あります。

 

終端駅が島式でない、というのは駅務側としても取り回しが悪く、結果的に2番線は合理化の為に殆ど使われていない状態となっています。

最近では、この2番線を利用してハロウィン地下鉄を開催した事は記憶にあたらしいところです。

 

野田阪神が相対式ホームになった理由

そんな終着駅である野田阪神駅は、何故相対式ホームになってしまったのでしょうか。

大阪地下鉄では初めてのケースであるが、南行ホームと北行ホームを少し千鳥形にずらすことにした。ホームの南端が四五メートルずれている。(中略) 道路事情と乗客量ならびに交通規制からこのような措置をとらねばならなかった。

野田阪神停留場は当分の間五号線の起終点となるが将来は通過停留場となる。乗客の利便を考え島型ホームにしたいところであるが、前記のような道路事情から両側式ホームにした。ホーム幅は六メートルと広くとってある。

出典:岩村潔『大阪市地下鉄の歩み』624p,(市政新聞社,1970年)

つまり理由として、一つは地上の道幅が狭く、両ホームをずらして設置しなければならなかったこと、もう一つは多大な乗降客量が見込まれていたことという2つがあったのだそうです。

阪神電車からの乗換や国道2号線からの乗客を想定して、野田阪神駅はかなりの乗降客数を見込む主要駅として考えられていたようで、いわば、谷町線の天王寺駅のようなケース(後に八尾南延伸で中間駅化)になります。

また、この当時は野田阪神駅を恒久的に終着駅として使用することを考えておらず、あくまで神崎川へと延伸することを視野に入れて建設されていたこともあるようです。

 

 

さすが野田阪神!他の駅にできない事を平然とやってのけるッ

そこにシビれる! あこがれるゥ!

 

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Photo,Writer : Series207  2017/5/17




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