2010年3月29日。この日は谷町線阿倍野駅付近でのケーブル破損により、なんと谷町線が大日~谷町九丁目で折り返すという事態が発生しました。
民営化した現在でこそ区間折返しなど柔軟な運用が取られますが、公営のこの当時は「とにかく全線運休」といったスタンスが強く、イレギュラーな途中折返しの運用は異例中の異例でした。
午前1時45分頃、夜間の保線作業中に光ケーブルを誤って切断。この影響で文の里駅以南の全ての駅においてポイント転換や列車制御など全て制御不能となり、始発から運転を見合わせました。
また、八尾南に車庫があることから出庫が出来ず、やむなく大日の車庫からの車両で運用を賄いました。
復旧作業は8時間程度にものぼり、9時10分にようやく復旧が完了しました。
この当時の話を当サイト内で記事にしていなかったので(10年が経ち今更感ありますが)改めて写真で振り返ります。
谷町九丁目
谷町九丁目駅1番線で折り返す22系19編成。方向幕は「谷町九丁目」を収録していないので白幕での運行でした。
当時は「谷町九丁目」行きを収録している30000系がまだ1本しか配備されておらず、その姿を見ることはありませんでした。
続いて元OTS系の22系63編成。こちらも同様に白幕です。
谷町九丁目駅2番線ホームでは、1番線で発着していることを知らせる旨の掲示が提出されていました。
タイガーロープが張られて2番線へは入れないような措置がなされていました。
事故を知らせるホワイトボード。当時は2時12分の発生としていましたが、後の公式リリースでは1時45分と修正されています。
谷町九丁目駅の発車標は、普段絶対にありえない組み合わせである「1番線・大日行き」が表示されていました。
方向案内表示と共に。「天王寺・八尾南方面」と表示される手前では反対方向である「大日行き」が表示されているあたり、相当なイレギュラーであることが理解出来るかと思います。
谷町六丁目
1つ北隣の谷町六丁目駅。こちらでは発車標にも「谷町九丁目」が表示されていました。
谷町六丁目の発車標は、他駅のものよりもやや横幅が狭いタイプのもので、「谷町九丁目」の表記もつめっつめで表示されていました。
勿論こちらも白幕で到着。
それにしても、すごい光景です。
谷町四丁目
谷町四丁目駅は初期型の大きな発車標が採用されています。
天満橋
発車標写真を集めるため、天満橋でも下車。天満橋は標準タイプのものです。これで阿倍野以外の全タイプが揃いました。
お……、初めて30系が姿を見せました。
30系アルミ車。白幕で天満橋駅に滑り込みます。
続いて30系ステンレス車も到着。写真の60編成はなんとこの日に廃車回送がなされ、土壇場での大騒ぎとなりました。
イレギュラー関連リンク
参考文献
大阪市交通局「大阪市営地下鉄谷町線における運行支障について」平成22年3月29日