天王寺駅からもよく見え、「あれって大阪城?」と無邪気に聞かれることが一度はあるのではないかというぐらい、有名な「ホテル醍醐」
城をモチーフとしたこの建物ですが、どうも2020年4月9日から休業しているとの貼り紙があったそうです。
ということで、2023年2月時点での最新の状況を見つつ、現在どうなっているのかを調べてみました。
現地へ
こちらがホテル醍醐。谷町線天王寺駅からほど近い、茶臼山と呼ばれるエリアに位置するあやしげなホテルです。
同じ建物に見えますが、実は2つの建物があわさった形のホテルのようです。
手前の建物は昭和47年に、奥の城が載っている建物は昭和60年1月にそれぞれ竣工しています。
運営は株式会社醍醐。法人登記日は昭和60年1月23日で、本店所在地はここ(天王寺区茶臼山町)となっています。
ホテル西側には、ややバブリーな香りのする化粧板と時代錯誤な「カラオケ」の看板が放置されています。
南側にはこの地域である茶臼山の看板も建っています。
全体的に城をモチーフにしているようですね。謎に大阪城の写真もあります
入口の様子。防犯カメラを設置しているとの旨が書かれていますが、訪れた際には特に「閉業した」「廃業した」などのチラシ類はありませんでした。
冒頭で「緊急事態宣言の為、休業している」のチラシがあったように思いますが、それも見つかりませんでした。
解散してた?
そんな株式会社醍醐ですが、なんと2019年12月に一度会社の解散・精算を行いかけた形跡があります。
解 散
令和1年12月11日会社法第472条第1項の規定により解散
令和 1年12月11日登記出典:法人登記簿
会社法第472条第1項というと、休眠企業のみなし解散がなされたということ。
2021年に「12年以上登記が行われないと自動的に解散とされる公告」が発令されました。
これはどういうことかというと、「株式会社醍醐として解散をしたのではなく、いつの間にか勝手に解散となっていた」が正しい認識でしょうか。
そこに気づいたのか、2021年4月に再び会社継続の登記手続きを実施。法人としては、現在も一応続いている模様です。
会社継続
令和3年4月10日会社継続
令和 3年 4月20日登記出典:法人登記簿
先程冒頭に書いた緊急事態宣言での休業は2020年4月。時系列に書くとこのようになります。
2019年12月…株式会社醍醐が解散
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2020年3月…コロナウイルスの流行が始まる
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2020年4月…緊急事態宣言発令
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2020年4月9日~…緊急事態宣言発令によりホテル醍醐が休業
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2021年4月…株式会社醍醐、復活の手続きを実施
開いていた頃
実はこのホテル醍醐、一度だけ怖いもの見たさで入ったことがあります。
外観は城なのに、中のエレベーターやインテリアはどこかギリシャ風ないで立ちでした。
部屋へいくまでの道もめちゃ暗いんです。「ここやで」ってルーム案内ランプがチカチカしてましたが、普通に怖い。
羽がアクリルで青透明な、レトロ扇風機が設置されていました。
業務用ファミコン
内部インテリアはお世辞にも良いとはいえない醍醐でしたが、ただ一つ思い出部かかったところがあります。
それは、業務用ファミコンが現役で稼働していた場所なんです。
一見ファミコンボックスっぽいですが、「HOME COMPUTER SF-10」と書かれている謎の端末のようで、検索しても情報が全然出てこないんです。
お 前 は 何 者 な ん だ
数字を選ぶと、そこにあるゲームが遊べるという仕様。1番はスーパーマリオブラザーズ、2番はゴルフ…といった形です。
「ホテル醍醐」の新館が出来たのは先述したように昭和60年ですので、ちょうどファミコン全盛期だった時代に遅れまいと導入したのでしょうか。
任天堂を調べる途中だった
実は、今回この「ホテル醍醐」を思い出したのも、任天堂の歴史を振り返っていたことがきっかけです。
(そういえば醍醐にファミコンみたいなマシンがあったよな…)と思い出し、実機を見るためもう一度行ってみたのですが、まさか休業中とは思いもよりませんでした。
大阪のディープなスポットであるホテル醍醐、今後どうなっていくのでしょうか。