御堂筋線は山手線を越える超優良路線…大阪地下鉄黒字化の功績は別に橋下市長でも平松市長でもない

御堂筋線は山手線を越える超優良路線…大阪地下鉄黒字化の功績は別に橋下市長でも平松市長でもない

大阪市営地下鉄 最新の30000系

大阪市営地下鉄は公営である以上、どうしても大阪市政とは切れない関係にあるのは仕方ないことですが、近年都合の良い所だけ書いている方が多く見受けられます。

ここではそういう使い方をされる方に、また大阪市営地下鉄のことをあまりご存知でない方々へ向けて、地下鉄マニアな私から見た客観的なデータを発信する意味も込めてここに書いておこうと思います。

 

きっかけはこのツイート

きっかけはTwitterで書いたこのツイートでした。

 

「大阪市営地下鉄の黒字化は橋下市長の功績だ!」と発言される方がたまに見受けられます。

ですが、元々大阪市営地下鉄は、先々代の大阪市長である關淳一市長であった頃から、2010年頃を目処に事業全体の黒字化を見込んでいました。

 

大阪市営地下鉄は、長らくキタ(梅田)・ミナミ(心斎橋、なんば)・アベノ(天王寺)を通る御堂筋線がもたらす莫大な黒字で、千日前線など他の路線の赤字を補うという不健全な収支状況が続いていました。

 

当時最古参の大阪市営地下鉄30系と最新の30000系
しかし、近年はトンネルを掘る為に借りた借金の返済も終えて、谷町線を皮切りに、2007年度からは開業から47年目にして初めて中央線が黒字化、続いて2008年度からは39年目にして堺筋線が黒字化を果たしています。
何もこれは歴代市長の功績でもなく、大阪市営地下鉄の現業の方々が運んできた功績、また大阪市民が出してきた税金、またその税金を上手に使って育った大阪市営地下鉄の功績そのものなのです

 

 

累積欠損金と年度・在任市長の表

大阪市営地下鉄全体では2005年(平成17年)に黒字決算となり、それ以降は着実に借金を返済してきました。

そして遂に2011年には1,000億円近くあった借金を返し終え、黒字経営に転換しています。

大阪市営地下鉄は市民の税金を使って黒字化を果たし、まさにこれからが市民へ還元されるべき時ではないしょうか。

累積欠損金(事業全体の借金)の増減について、ここでは表にまとめました。

2004年(平成16年)
關淳一 市長
-1137億円
2005年(平成17年)
關淳一 市長
-1098億円
2006年(平成18年)
關淳一 市長
-902億円
2007年(平成19年)
關淳一 市長
-691億円
2008年(平成20年)
平松邦夫 市長
-466億円
2009年(平成21年)
平松邦夫 市長
-342億円
2010年(平成22年)
平松邦夫 市長
-53億円
2011年(平成23年)
平松邦夫 市長
186億円
2012年(平成24年)
橋下徹 市長
167億円
2013年(平成25年)
橋下徹 市長
201億円
2014年(平成26年)
橋下徹 市長
334億円

 

【参考ソース】
http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/business/management/keieihousintou/111114koutsu_jigyou_shin_chuki.html
http://www.city.osaka.lg.jp/gyouseiiinkai/cmsfiles/contents/0000002/2575/h25kigyouikensyosankou.pdf

 

平松市長の最後の任期時代であった2011年には黒字化を達成しています。

ですがご覧のように、誰が市長であっても平均的に100~200億円ベースで累世欠損金は解消され続けています。

 

誰が市長だから黒字化した…というより、そもそも大阪市営地下鉄の黒字化になるシステムが出来上がっていて、年度を経る度にそのシステムが着実に進んだだけに他なりません。

 

また、平成25年度の大阪市営地下鉄各路線の営業係数(100円の利益を出す為に必要な経費)は次のようになっています。

御堂筋線 44.0
谷町線 77.3
四つ橋線 86.6
中央線 63.5
千日前線 136.8
堺筋線 81.1
長堀鶴見緑地線 149.5
今里筋線 244.6
ニュートラム 134.9

 

【参考ソース】
http://www.city.osaka.lg.jp/gyouseiiinkai/cmsfiles/contents/0000002/2575/h25kigyouikensyosankou.pdf

 

例えば、100円の利益を出す為に御堂筋線は44円の経費がかかる計算になります。

山手線が48.9、大阪環状線が57.5であることを考えると、超優良路線であることがわかります。

 

議論の際は冷静な対応を

大阪市営地下鉄 初代100形105号車

元々地下鉄というビジネスは、トンネルを掘る為の先行投資がめちゃくちゃかかるものです。

先述したように、御堂筋線は現在莫大な黒字を叩き出していますが、これは梅田~天王寺のメイン区間のトンネルを掘ったのが戦前で終わったこと、新大阪~江坂延伸分は万博の輸送だけで返済出来たことなどが挙げられます。

私は反橋下派でも親橋下派でもありませんが、根拠のない極端なネガキャンは、ご自身が支持されている派への反感を買うだけですので、冷静に議論なさってくださいね。

 

 

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Writer:Series207

2014/11/20




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