Osaka Metro(大阪メトロ)今里筋線は、2020年現在井高野~今里間を結ぶ地下鉄路線です。
2006年に上記区間が一括で開業して以来、動きがありません。
湯里延伸構想
出典:「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について
現在ある延伸構想としては、今里で止まっている同路線を湯里六丁目まで6.7km延伸させるものがあります。
これは、運輸政策審議会答申第10号(大阪圏)の20号で示された上新庄~太子橋今市~湯里六丁目によるものです。
このうち上新庄から井高野に経路を変更し、だいどう豊里から今里までを答申通りに建設したのが現在の今里筋線になります。
需要予測で検討された駅数は、今里駅を除いて6駅。
大阪の地下鉄はおおよそ1kmごとに駅が設置される傾向があり、現在試験運行中のいまざとライナーのバス停を見るに、だいたいの予測でいうとこういう感じでしょうか。
白文字は確定駅、灰色文字は当サイトの予想駅です。
基本的には、現在運行している「いまざとライナー」とほぼ同じ停留場になります。「6駅」と示されていることから、比較的近距離である中川二丁目は省略しました。
湯里六丁目では構想にある地下鉄9号線(敷津長吉線)との連絡が取られ、両線共同じリニアモーター式ミニ地下鉄になることから、連絡線が設けられる可能性があります。
延伸部建設計画
延伸に合わせて4列車の増備が必要となります。
車庫は現在運用されている鶴見北検車場で対応可能となっており、新たな車庫の建設予定はありません。
延伸区間 | 今里~湯里六丁目 |
駅数 | 6駅(今里を除く) |
建設延長/営業延長 | 6.7km |
必要列車数 | 4列車(コスト削減プランでは2列車) |
計画最大編成数 | 6両 |
車庫計画 | 鶴見北検車場(既設) |
構造 | 全線地下式 |
車両規格 | リニアモーター式(既設の今里筋線と同様) |
延伸部運転計画
・朝ラッシュ時:4分~5分間隔
・データイム時:10分間隔
・夕ラッシュ時:5分間隔
いまざとライナーが建設を決める
この区間は、政治的配慮がかなり動向を左右する路線です。
今里筋線の延長を求める自民党大阪市議団と、延伸凍結を決定している大阪維新の会で対立。それならば…ということで、大阪市営地下鉄民営化に賛成する条件の引き換えとして、今里筋線延伸の実験ケースとしてBRT「いまざとライナー」の運行を行って需要の調査を開始した経緯があります。
いまざとライナーでは捌ききれない程の人出になれば、今里筋線の延伸も現実味を帯びてきます…が、現状バス車両でもかなり事足りているので、延伸の可能性は極めて低いです。
開業から40年後の予測では費用対効果(B/C比、1を切ると黒字化の見込みがない)が基本プランで0.87と延伸4路線の中では3番目の数値、列車増備を削減するなどのコスト削減プランを適用してようやく1.05という数値です。
他の延伸構想データベース
参考資料
『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について 』平成26年8月28日 大阪市鉄道ネットワーク審議会
『「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について(答申)内、資料1-2 「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に位置づけられた未着手の地下鉄計画路線の整備のあり方について(答申)(その2)』- 2014年8月30日